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2017/10/27

独断的映画感想文:裸足の1500マイル

日記:2017年10月某日
映画「裸足の1500マイル」を見る.15001
2002年.監督:フィリップ・ノイス.
出演:エヴァーリン・サンピ(モリー),ローラ・モナガン(グレーシー),ティアナ・サンズベリー(デイジー),ケネス・ブラナー(ネビル),デヴィッド・ガルピリル(ムードゥ).
1931年,西オーストラリアのジガロング.15003
14歳のアボリジニの少女モリー,8歳になる妹のデイジー,従姉妹で10歳のグレーシーは,いずれも白人との混血だったため,アボリジニ保護局の指示で1500マイル離れたムーン・リバー収容所に強制的に隔離された.
子供達はここで,将来召使いや労働者になるための教育を受けるのだ.モリー達は母親に会いたい一心で嵐の迫る朝脱走し,アボリジニの追跡人ムードゥの追及をかわしながら,遙かな故郷目指して歩き続けた….
事実に基づく物語.
オーストラリアの過去の恥部を描いた作品だが,少女達の勇気ある逃走劇に感動するヒューマンドラマで,後味は良い.15002
とにかく,着の身着のままで逃げ出した少女達が,殆ど砂漠地帯が続く中の1500マイルを,9週間で歩き通した事実そのものが感動的だ.
ムードゥの追跡能力を知っているモリーが,ある朝嵐の接近を察知して,痕跡をくらまして逃走するチャンスと見極め直ちに脱走する決断力.足跡を残さぬ為に川を歩き,追跡の目を惑わすためポーチを川岸に残す才覚.砂漠で食料を見つけ生き延びる生命力.
幾たびも少女達を見失いまた追尾するムードゥだが,最終的に白人が追跡を断念した時顔に浮かんだ笑顔が,彼の本心を物語る.15004
エピローグによると,モリーは逃げ延び,砂漠でアボリジニの男性と結婚,その後娘と共に捕らえられムーン・リバーに戻されたが,再度親子で脱走し故郷に戻ったとのこと.
原作はこの時母と共に脱走した娘のドリーが後年書いたものだ.一見の価値あり.
★★★★(★5個が満点)
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