独断的映画感想文:神のゆらぎ
日記:2017年10月某日
映画「神のゆらぎ」を見る.
2014年.監督:ポズ.
出演:グザヴィエ・ドラン(エティエンヌ),マリリン・キャストンゲ(ジュリー),ガブリエル・サブーラン(シモン),ジャン=ニコラ・ヴェロー(マキシム),アンヌ・ドルヴァル(エヴァリン),ロバン・オベール(マーティン).
フランス語を話すカナダのとある街.
エティエンヌはエホバの証人の信者で白血病を病む身,婚約者の看護師ジュリーも同じく信者で,両名は信仰に基づき輸血による治療を拒否している.ある夜飛行機事故が起こり,病院に担ぎ込まれた唯一の生存者をジュリーは必死に看護する.
カジノでギャンブルにはまっているマーティンは,カジノのバーでバーテンのレイモンドにキューバのバカンスの楽しさを話す.マーティンはこの晩のうちに再度妻とキューバに出立する予定だが,アル中の妻エヴァリンは荷物を作りながら酒を飲み始める.
レイモンドは地下駐車場で不倫相手のクローク係ルイーズと密会,キューバへの旅行を持ちかける.
ベネズェラから3年ぶりに帰国したシモンは,麻薬の運び屋で得た金を姪のカリーヌに渡そうと空港の乗客係である兄マキシムの家を訪れる….
群像劇であるが,群像を構成するそれぞれの人物がどの一点で交錯するのかは中盤まで判らない.
中心はエホバの証人の信者であるエティエンヌとジュリーのカップル.信仰を最後まで貫くのか,信仰を捨てて治療するのかが,神の存在をかけて鋭く問われる.
布教のためルイーズの夫のもとを訪れたジュリーが,「神が全能であれば飛行機は落ちない」と言われ涙ぐむシーンが印象的.
緊張感高く映像も好ましいが,人間の思いがけぬ行動が他者の運命を変えていく過程を,神との関係で描いていく内容は,日本人としては共感しにくい.
★★★(★5個が満点)
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