独断的映画感想文:裁かれるは善人のみ
日記:2017年10月某日
映画「裁かれるは善人のみ」を見る.
2014年.監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ.
出演:アレクセイ・セレブリャコフ(コーリャ(ニコライ)・セルゲーエフ),エレナ・リャドワ(リリア),ヴラディミール・ヴドヴィチェンコフ(ディーマ(ドミトリー)・セレズニョフ),ロマン・マディアノフ(ヴァディム市長),セルゲイ・ポホダーエフ(ロマ),アンナ・ウコロワ(アンジェラ),アレクセイ・ロズィン(パーシャ).
バレンツ海に面するロシア北方の街.
港を見渡す橋のたもとに自動車修理工コーリャの家があり,若い後妻リリアと息子ロマが暮らしている.市長はこの場所の再開発のためコーリャの家を強制収容しようとしているが,コーリャはこれに対抗し,軍隊時代の仲間で弁護士のディーマに依頼して訴訟に訴えている.
訴訟には敗北したものの,ディーマは市長の不正行為の証拠を入手して賠償額を大幅に引き上げさせる.市長はこれに対し大きな圧力をコーリャ達にかけ始める….
市長の権力の闇は深く,司法・警察もその思うままだ.教会も市長と固く結びついている.コーリャやその周りの人々は,ウォッカを浴びる程飲み人生の悲哀を嘆きながらも,身も心も押しつぶされていく他無い.
北極圏に近い海辺の荒涼とした自然を背景に,映画はロシアにおける権力と庶民の関係を浮き彫りにする.
如何にもロシア映画らしい匂いがひりひりとする好編,見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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