独断的映画感想文:藁の楯 わらのたて
日記:2017年9月某日
映画「藁の楯 わらのたて」を見る.
2013年.監督:三池崇史.
出演:大沢たかお(銘苅一基),松嶋菜々子(白岩篤子),岸谷五朗(奥村武),伊武雅刀(関谷賢示),永山絢斗(神箸正貴),余貴美子(由里千賀子),藤原竜也(清丸国秀),山崎努(蜷川隆興).
逃亡中の少女暴行殺人の犯人・清丸に対し,被害者の祖父で経済界の重鎮・蜷川は,清丸殺害に10億円の賞金をかけることを広告し,清丸サイトを設置する.匿われていた友人に殺されかけた清丸は福岡県警に出頭,警視庁は清丸の移送に刑事奥村・神箸とSP銘苅・白岩を派遣する.
福岡県警の関谷を含め5名の移送チームが編成されるがが,警官・機動隊員の襲撃,医療関係者による殺害未遂等の事態が続き,車列で出発したチームは極秘に新幹線での移動に切り替える.その情報も清丸サイトに直ちに掲載されたが….
憎むべき犯人の命を守るため命をかけるという,警察官等の闘いを描く.原作小説は未読.
設定は抜群に面白い.その後は,何時誰が襲ってくるかというスリルと,誰が如何に内通しているかというミステリで物語は進展する.
特に良かったのは清丸役の藤原竜也で,誰もがこの犯人を殺したいと思わせる様な,非人間的な殺人愉快犯を見事に演じている.
一方突っ込みどころはかなりあって,例えばSPの白岩は重大なミスや判断の誤りを連発,何故この様な凡庸な刑事が特派されたのか不可解.ラストシーンの無理矢理の設定も理解不能で,中盤までの絶体絶命の状況を如何に突破するのか,という問いへの答が見事にスルーされたのには呆然とする.裏で動いていた警察官僚自身が蜷川と通じていたらしい状況も,中途半端な説明で終わる.
前半に比べ後半はやや持て余した.
★★★(★5個が満点)
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