番外:独断的歌舞伎感想文 三月大歌舞伎 夜の部 於染久松色読販/神田祭/滝の白糸
日記:2018年3月某日
歌舞伎座で「三月大歌舞伎 夜の部」を見る.
「一、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり) 小梅莨屋の場 瓦町油屋の場」.四世鶴屋南北 作,渥美清太郎 改訂.出演:土手のお六(玉三郎),山家屋清兵衛(錦之助),鬼門の喜兵衛(仁左衛門).「二、神田祭(かんだまつり)」.出演:鳶頭(仁左衛門),芸者(玉三郎).「三、滝の白糸(たきのしらいと)」.泉鏡花 作・坂東玉三郎 演出.出演:滝の白糸(壱太郎),村越欣弥(松也),春平(歌六).
於染久松は於染の七役の内の一部,お六・喜兵衛のゆすりが間抜けな失敗に終わるエピソード.仁左衛門が死体の前髪を剃る場面の見栄などはいかにもの雰囲気があるが,前後の筋が良く判らないので物足りない.
神田祭は,仁左衛門・玉三郎のいちゃいちゃぶりがうまく,踊りも素晴らしい.花道を引っ込みながら,こんなにもてて済みませんと言わんばかりに,仁左衛門が頭をかきかき玉三郎といそいそと引っ込む辺りも素敵.
滝の白糸は,玉三郎演出で壱太郎・松也の主演.壱太郎は台詞は今ひとつだが,立ち居振る舞いは良く演出に従って魅力的.松也,歌六等の奮闘の力作で,見応えあり.
新派の芝居を歌舞伎の舞台で今の世代に見せるのは,なかなかに難しそうである.
人気ブログランキングへ
コメント