独断的映画感想文:道
日記:2018年8月某日
映画「道」を見る.
1954年.監督:フェデリコ・フェリーニ.
出演:アンソニー・クイン(Zampano),ジュリエッタ・マシーナ(Gelsomina),リチャード・ベイスハート(Il Matto).
貧しい上に頭の足りないジェルソミーナは,母親に1万リラで売られ,芸人ザンパーノと共に旅に出る.
ザンパーノは野獣のような男,ジェルソミーナを強引に妻にするが,彼女にラッパや太鼓を仕込み,ジェルソミーナも懸命に芸を覚える.
しかし,行く先々で金ができると女と酒に入れ込むザンパーノに,自分は何のために生きているのかと涙を流すジェルソミーナ.一時合流したサーカスの一座で,空中ブランコを演じる「キ印」と呼ばれる青年に,「小石一つでもこの世に存在する価値がある」と励まされたジェルソミーナ,しかし「キ印」とザンパーノは折り合いが悪く,遂に或る日悲劇が起こる….
天使の様に純情でしかし大人の哀しみを背負って人生を歩むジェルソミーナ,野獣のように思いのままに人生を突き進もうというザンパーノ.
この二人がいっとき共に歩いた道が,如何に貴重な日々だったのか.そのことに思い至って夜の海岸で慟哭するザンパーノのシーンは,目に焼き付いて離れない.
ニーノ・ロータの音楽が素晴らしい.
スリルもスペクタルもないが,映画とはこういうものだということを存分に味わえる名作,必見です.
★★★★☆(★5個が満点)
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