番外:独断的歌舞伎感想文 通し狂言 源氏物語
日記:2018年7月某日
歌舞伎座で「七月大歌舞伎 夜の部」を見る.
今井豊茂 作,藤間勘十郎 演出・振付「通し狂言 源氏物語(げんじものがたり) 市川海老蔵宙乗り相勤め申し候」.
出演:光源氏/龍王(市川海老蔵),六条御息所(中村雀右衛門),右大臣(市川右團次),春宮後に朱雀帝(坂東亀蔵),葵の上/明石の上(中村児太郎),光の君/春宮(堀越勸玄),漁師(市村竹松),漁師(大谷廣松),漁師(市川男寅),藤大納言/漁師(中村鷹之資),漁師(中村玉太郎),頭中将(市川九團次),大宮/尼(市川齊入),左大臣(市村家橘),紫式部(市村萬次郎),兵部卿宮(大谷友右衛門),大命婦(中村東蔵),弘徽殿女御(中村魁春),六の君(板東玉朗),源の内侍(市川右若),能楽師出演者(片山九郎右衛門,梅若紀彰,観世喜正),闇の精霊(アンソニー・ロス・コスタンツォ),光の精霊(ザッカリー・ワイルダー).
回り舞台やセリの駆使はもとより,テノールとカウンターテナーのオペラ歌手,怨霊や生き霊・竜王等を演じる能楽師,劇場全体を使ったプロジェクションマッピング等々,従来の歌舞伎以外の要素を動員した絢爛豪華な舞台である.
各開幕前の序曲や,アリアの伴奏をした洋楽の演奏も素敵.
海老蔵が竜王として宙乗りをした場面は良かったが,その為に源氏としての登場場面を大幅に削り,竜王の舞を延々と演じた辺りは,ややバランスを欠いた感あり.堀越勸玄の登場場面がドラマとしては最も盛り上がった感じがあるのもちょっとどうかしら.
雀右衛門の六条御息所がさすがの緊張感溢れる演技.終わってみればなかなかの力作で楽しかった.
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