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2018年9月に作成された記事

2018/09/24

番外:独断的歌舞伎感想文 2018年秀山祭夜の部 操り三番叟/俊寛/幽玄

日記:2018年9月某日
歌舞伎座で秀山祭9月大歌舞伎夜の部を見る.Img_20180922_210812
「一、松寿操り三番叟(まつのことぶきあやつりさんばそう)」.出演:三番叟(幸四郎),後見(吉之丞).
近松門左衛門 作 平家女護島.「二、俊寛(しゅんかん) 鬼界ヶ島の場」.出演:俊寛僧都(吉右衛門),海女千鳥(雀右衛門),丹波少将成経(菊之助),平判官康頼(錦之助),瀬尾太郎兼康(又五郎),丹左衛門尉基康(歌六).
坂東玉三郎・花柳壽輔 演出・振付.「三、新作歌舞伎 幽玄(ゆうげん) 羽衣/石橋/道成寺」.出演:天女/白拍子花子(玉三郎),伯竜/獅子の精(歌昇),伯竜/獅子の精(萬太郎),伯竜/獅子の精(種之助).
操り三番叟は幸四郎,人形振りが素敵な踊り.
Kabukiza09_shunkan
俊寛は吉右衛門円熟の舞台,従来の幕切れは手を振り船を呼び続ける演出が多かったが,今回は只呆然と虚空を凝視し続ける.感動した.瀬尾の又五郎が朗々たる声で悪役を好演.
幽玄は鼓童の和太鼓を中心とした新作舞踊,踊りを見るより音楽を聴く要素が強い感あり.玉三郎は羽衣の踊りは良かったが,一般に踊りの方はあまり感心せず.中で石橋(歌昇等)は若々しく力強い踊りあり.
幽玄はやや長く感じたが,全体には見応えある良い舞台だった.この日の3階席には,花道に人が出ると平然と前のめり・中腰になる客が多く,殆ど花道は見えなかった.なんたることだ.
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独断的映画感想文:永い言い訳

日記:2018年9月某日
映画「永い言い訳」を見る.1_2
2016年.監督:西川美和.
出演:本木雅弘(衣笠幸夫(津村啓)),竹原ピストル(大宮陽一),藤田健心(大宮真平),白鳥玉季(大宮灯),堀内敬子(大宮ゆき),池松壮亮(岸本信介),黒木華(福永智尋),深津絵里(衣笠夏子).6
作家の衣笠幸夫はTVにモデル売れっ子作家だが,最近はまともな作品が書けない.妻の夏子はヘアスタジオを主催する美容師,映画の冒頭幸夫はその夏子に髪を刈ってもらっている.
やがて散髪は終わり,夏子は親友・大宮ゆきとバス旅行へ行く.入れ替わりに愛人の編集者福永を引き込んで情事にふける幸夫.ところが夏子の乗ったバスはその夜事故を起こし,夏子とゆきは帰らぬ人となる.
夏子の死後メディアの手前を取り繕いつつ,荒れた生活を送る幸夫.遺族会で初めて会ったゆきの夫・大宮陽一と思いがけないつき合いが始まり,長距離トラック運転手である陽一の子供・真平と灯の面倒を見ることになる.
ゆきを失った大宮一家の世話をしながら陽一と議論することを通じ,自分と夏子の関係を省みる幸夫だったが….2_2
ゆきに頼り切り,ゆきの喪失を嘆き悲しみながら暮らす陽一に対し,細々と助言し面倒を見る幸夫.しかしそのことを通じて幸夫は,逆に自分にとって夏子が如何に大切だったかを,長い時間をかけて教えられていくことになる.3_2
大宮一家の人々を通じて再生していく幸夫を演じる本木雅弘が,素晴らしい.
深津絵里は短い出演ながら圧倒的な存在感,特に真平・灯と共に登場する海辺の幻のシーンには,涙を禁じ得ない.5
竹原ピストルと子役達の大宮家も素敵な演技.見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:散歩する侵略者

日記:2018年9月某日
映画「散歩する侵略者」を見る.1
2017年.監督:黒沢清.出演:長澤まさみ(加瀬鳴海),松田龍平(加瀬真治),高杉真宙(天野),恒松祐里(立花あきら),前田敦子(鳴海の妹・明日美),満島真之介(丸尾),児嶋一哉(車田刑事),光石研(鈴木社長),東出昌大(牧師),小泉今日子(医者),笹野高史(品川),長谷川博己(ジャーナリスト・桜井).
2
或る日日本で宇宙人の侵略が始まる.
宇宙人は少年・天野と少女・あきらの肉体を侵略し,一家殺害事件を起こしたあきらの取材に来た記者・桜井を「ガイド」として,地球侵攻の準備を始める.桜井は彼等が宇宙人かどうか半信半疑ながら,記者根性で協力に応じる.
鳴海の夫・真治も侵略された一人.挙動がおかしくなった真治を病院に連れて行った鳴海は既に夫と破綻しかけていたが,侵略され一見以前の夫に近くなった真治への期待を持って,「ガイド」を勤めることになる.
侵略者は人間の持つ「概念」を情報収集のために奪うが,奪われた人間はその概念を失ってしまう.そこから巻き起きる騒動を交え,3人の侵略者が邂逅して進む宇宙人の侵攻の過程を描く….3
侵略者と「ガイド」の関係が,物語の進行に伴ってどんどん変転していく独特の視点が面白い.特に,侵略者となったが本来の夫らしい個性を取り戻す真治と,再び夫にたいする溢れるような愛情を取り戻す鳴海の関係が,魅力的.演じる松田龍平と長澤まさみに見応えあり.
4
侵略者と戦う日本政府側は,ウィルス感染として対応した厚労省の担当エージェントが,縦割り行政のお陰か為す術もなく全滅するのが情けない.
ちょっと変わった侵略もの,見終わった後の気分は良い.
★★★☆(★5個が満点).
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番外:独断的歌舞伎感想文 2018年秀山祭昼の部 金閣寺/鬼揃紅葉狩/河内山

日記:2018年9月某日
歌舞伎座で「秀山祭九月大歌舞伎 昼の部」を見る.Kabukiza_201809_f5_1a273a82c98ed7_2
「一、祇園祭礼信仰記 金閣寺(きんかくじ)」.出演:此下東吉実は真柴久吉(梅玉),雪姫(児太郎),狩野之介直信(幸四郎),松永鬼藤太(坂東亀蔵),此下家臣春川左近(橋之助,同 戸田隼人(男寅),同 内海三郎(福之助),同 山下主水(玉太郎),腰元(梅花),腰元(歌女之丞),十河軍平実は佐藤正清(彌十郎),松永大膳(松緑),慶寿院尼(福助).
萩原雪夫 作,今井豊茂 補綴.「二、鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)」.出演:更科の前実は戸隠山の鬼女(幸四郎),平維茂(錦之助),侍女かえで(高麗蔵),侍女ぬるで(米吉),侍女かつら(児太郎),侍女もみじ(宗之助),従者月郎吾(隼人),従者雪郎太(廣太郎),男山八幡の末社(玉太郎),男山八幡の末社(東蔵).
河竹黙阿弥 作.「三、天衣紛上野初花 河内山(こうちやま) 上州屋質見世,松江邸広間,同 書院,同 玄関先」.出演:河内山宗俊(吉右衛門),松江出雲守(幸四郎),宮崎数馬(歌昇),大橋伊織(種之助),黒沢要(隼人),腰元浪路(米吉),北村大膳(吉之丞),高木小左衛門(又五郎),和泉屋清兵衛(歌六),後家おまき(魁春).Kabukiza09_kouchiyama
金閣寺は児太郎が美しく口跡良く見応えあり.特に立ち姿はお姫様らしくてきれい.贔屓の松緑も良い芝居で嬉しい.復帰の福助に拍手,福助は2013年8月に歌舞伎座で見て以来である.
鬼揃紅葉狩は音楽が素晴らしい.囃子方に竹本・常磐津が入れ替わり入れ替わり加わる他,中盤では大薩摩の演奏もあり,堪能した.踊りは,もうすぐ18になる玉太郎がお祖父さんの東蔵と踊った男山八幡の末社が,若々しくて素敵だった.
河内山は吉右衛門が魅力を存分に発揮,魁春がツボにはまったお内儀役で良かった.
それぞれ魅力ある演目で誠に見応えあり.
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2018/09/12

独断的映画感想文:ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命

日記:2018年9月某日
映画「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」を見る.1
2016年.監督:パブロ・ラライン.音楽:ミカ・レヴィ.
出演:ナタリー・ポートマン(ジャクリーン・ケネディ(ジャッキー)),ピーター・サースガード(ロバート・F・ケネディ(ボビー)),グレタ・ガーウィグ(ナンシー・タッカーマン),リチャード・E・グラント(ビル・ウォルトン),ビリー・クラダップ(ジャーナリスト),ジョン・ハート(神父).
2
1963年11月.ケネディ暗殺事件から間もない或る日,米誌ライフの記者がジャクリーン・ケネディを訪れる.ジャクリーンは自分が記事を検閲することを条件に,ロングインタビューに応じる.そこで語られる,暗殺直後から国葬までの4日間を中心とした物語.
冒頭,彼女が改装し面目を一新したホワイトハウスの内装が紹介された1962年放映のTV番組が紹介される.未だ31歳,スタッフのナンシーの助力を得ながら堂々とカメラに向かうジャクリーン.初々しい彼女の才気が溢れている.
3
大統領の受傷直後から病院への急行,大統領専用機での副大統領リンドン・B・ジョンソンの就任宣誓に血に汚れた服で立ち会うジャクリーン.彼女はワシントンでボブ・ケネディと会い,初めて心からの悲しみにひたる….
映画は緊張感に満ちている.
深い悲哀と喪失感の中,子供達に父の死を伝え,ケネディの葬られるべき場所を自ら選定し,国葬では棺の後を徒歩で進むことを決定するジャクリーン.ケネディ家・民主党政権のスタッフ・警備関係者等とのやり取りを強い意志で乗り切っていく一方,ケネディとの思い出にひたり牧師に心情を告白する姿は痛々しい.ナタリー・ポートマンの演技は誠に見応えあり.4
またジャクリーンを労る牧師のジョン・ハート,若々しいボブ・ケネディを演じたピーター・サースガードが印象的だった.
冒頭の不安と緊張に満ちた響きから,ラストシーンのある落ち着きに至るミカ・レヴィの音楽も素晴らしかった.見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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2018/09/04

番外:独断的歌舞伎感想文 義経千本桜 道行初音旅/川連法眼館

日記:2018年9月某日
「巡業 松竹大歌舞伎 西コース」を見る.Jungyo_2018west_4a36c66f31c33e5036b
「義経千本桜 一、道行初音旅 清元連中 竹本連中」.出演 佐藤忠信実は源九郎:片岡愛之助,静御前:中村壱太郎,逸見藤太:市川猿弥.「義経千本桜 二、川連法眼館 一幕」.出演 佐藤忠信・佐藤忠信実は源九郎:片岡愛之助,静御前:中村壱太郎,亀井六郎:市川猿弥,川連法眼:中村寿治郎,法眼妻飛鳥:上村吉弥,駿河次郎:中村松江,源義経:市川門之助.
道行初音旅は踊りがメイン,壱太郎はさすがに市民会館の花道が狭くて踊りにくそうだ.後段,忠信との踊りになるといきいきとして見違える様.
川連法眼館では,愛之助が音羽流の忠信を忠実に演じて熱演に拍手.壱太郎がここでもしっかりとした演技・口跡で見応えあり.
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独断的映画感想文:菊とギロチン

日記:2018年8月某日
映画「菊とギロチン」を見る.1_2
2018年.監督:瀬々敬久.
出演:木竜麻生(花菊ともよ),東出昌大(中濱鐵),寛一郎(古田大次郎),韓英恵(十勝川たまえ),渋川清彦(岩木玉三郎),山中崇(和田久太郎),井浦新(村木源次郎),大西信満(飯岡大五郎),嘉門洋子(玉椿みつ),大西礼芳(勝虎かつ),山田真歩(小桜はる),嶋田久作(田中半兵衛).3
アナーキストグループ「ギロチン社」は,関東大震災で大杉栄が虐殺されたことに対し復讐を決意,様々な事件を起こすが不成功に終わる.
残党の中濱・古田は東京近郊の海浜に潜伏,当地巡業中の女相撲・玉岩興業の相撲を見物して大いに共感,玉岩興業のチラシを作成して配布する等,行動を共にする様になる.4
一座には山形出身の力士の他,朝鮮人で遊郭にいた十勝川,沖縄出身の与那国等がおり,前頭の花菊は姉の死後その後妻に入るが,夫の暴力に耐えかねて逃げ出し一座に加わっている.
親方の岩木は興行主との関係を保ちつつ,様々な出自の力士達に目配りする,芯のしっかりした豪気な男.中濱・古田の出入りも黙認する.やがて中濱は十勝川と,古田は花菊とお互いに好意を持つ様になる.
5
一方地元の在郷軍人会の分会長・飯岡は,十勝川を朝鮮人と知り,拉致・拷問して震災時の朝鮮人の「犯行」を「自白」させようとするが….
3時間を越える長尺だが,アナキストグループと女相撲という特異な集団の交流を描いて間断するところがない.女相撲の興業を見事に再現した映像は,素晴らしかった.巡業地の砂浜で一座と中濱・古田,更に震災難民や地元の漁師も交えて踊り歌うシーンは誠に印象的.2
この後アナキストグループは闘争をエスカレート,また一座には花菊の夫が妻を取り戻しに来る等波乱が続く.大正13年・14年という,経済的破綻と軍部の台頭する不穏な空気を背景に描かれる勇壮な叙事詩.見応えあり.
★★★★(★5個が満点)
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ようやっと25万アクセス突破

台風21号が接近中で不要不急の外出を控えていたら,本blogが25万アクセスを越えていることに気付きました.
まあ細々と続いている本blogですが,それでも細々と見て下さる方がおられるようで,有り難いことであります.
Photo
これからも楽しく映画を見て独断的感想を上げていきたいと思いますので,相変わらぬご贔屓を頂きます様,宜しくお願い申し上げます.好きな映画の一つのポスターを掲げて,ご挨拶といたします.

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2018/09/01

独断的映画感想文:彼女がその名を知らない鳥たち

日記:2018年8月某日
映画「彼女がその名を知らない鳥たち」を見る.1
2017年.監督:白石和彌.
出演:蒼井優(北原十和子),阿部サダヲ(佐野陣治),松坂桃李(水島真),村川絵梨(國枝カヨ),赤堀雅秋(酒田),赤澤ムック(野々山美鈴),中嶋しゅう(國枝),竹野内豊(黒崎俊一).2_2
十和子は陣治と暮らす家を殆ど出ず,クレームの電話をかけたりビデオを見たりの自堕落な日々を送る.15歳年上の陣治はひたすら十和子に仕えるが,十和子はその稼ぎで暮らしているのに陣治には殆ど身体も許さない.
十和子は8年前付き合っていた黒﨑にひどい仕打ちを受け,暴行され捨てられたのだが,彼女は未だに黒﨑が忘れられない.クレームの担当者で黒﨑に似た感じの水島と付き合うようになるが,水島は女を引っかけては捨てる男らしい.3
一方,水島と十和子の情事を陣治は尾行していた.黒﨑が5年前から失踪しているという情報を得た十和子は,陣治が黒﨑の失踪に関係しているのではないかと疑うが….
4
出だしは不愉快極まりない十和子と陣治の共同生活の描写,それがミステリーとなりサスペンスとなり,最後に恋愛物語に昇華していく.それを演じていく蒼井優と阿部サダヲの演技が見応えあり.

5
後半次々に明らかになる事実の展開には圧倒される.全ての事実が明らかになったあと,ラストシーンで十和子が見上げる「彼女がその名を知らない鳥たち」の乱舞は印象的.
★★★★(★5個が満点)
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番外:独断的歌舞伎感想文 新作歌舞伎「NARUTO -ナルト-」

日記:2018年8月某日
新橋演舞場で新作歌舞伎「NARUTO -ナルト-」を見る.Shinbashi_201808_f5_60b3f3078388006
うずまきナルト(坂東巳之助),うちはサスケ(中村隼人),綱手(市川笑也),大蛇丸(市川笑三郎),春野サクラ(中村梅丸),うちはイタチ(市瀬秀和),はたけカカシ(嘉島典俊),自来也(市川猿弥),うちはマダラ(片岡愛之助).
人気長編コミックの歌舞伎舞台化.脚本・演出は7年前に見た新作歌舞伎『東雲烏恋真似琴』で大谷竹次郎奨励賞を受賞したG2.予備知識ゼロで見たが,冒頭いきなり竹本で始まったのには吃驚.
忍者学校の劣等生ナルトが,同級生サスケ等と共に成長しながら,九尾の狐の魔力を我が物にして世界を牛耳ろうという,うちはマダラの陰謀と戦う物語.
舞台をうまく使ったテンポの良い作品で,若手らしいアクションシーンが魅力的だ.客席も若い観客が目立ち賑やかな雰囲気,久しぶりの新橋だったが楽しかった.
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番外:独断的歌舞伎感想文 8月大歌舞伎3部 「通し狂言 盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」

日記:2018年8月某日
歌舞伎座で「8月大歌舞伎3部 盟三五大切」を見る.Img_20180819_144710
四世鶴屋南北 作,郡司正勝 補綴・演出,織田紘二 演出.「通し狂言 盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ) 序幕:佃沖新地鼻の場,深川大和町の場.二幕目:二軒茶屋の場,五人切の場.大詰:四谷鬼横町の場 愛染院門前の場」.
出演:薩摩源五兵衛(幸四郎),芸者小万(七之助),家主くり廻しの弥助(中車),ごろつき五平(男女蔵),内びん虎蔵(廣太郎),芸者菊野(米吉),若党六七八右衛門(橋之助),お先の伊之助(吉之丞),里親おくろ(歌女之丞),了心(松之助),廻し男幸八(宗之助),富森助右衛門(錦吾),ごろつき勘九郎(片岡亀蔵),笹野屋三五郎(獅童).
複雑な人間関係と凄惨な殺し場が特徴の,鶴屋南北の傑作狂言.
芸者小万に入れ揚げ何より大切な100両の金をまんまと美人局で巻き上げられる浪人源五兵衛,源五兵衛の狂気の5人切りを忠義のために身替わりとなって自首するその若党,源五兵衛に最愛の女房を斬殺されながら主筋と知って自らは切腹して果てる三五郎.
死屍累々の末,源五兵衛は義士の一員となり「めでたしめでたし」となる.やりきれない不条理劇だが緊張感高く,構成に隙が無い.役者がそれぞれに奮闘し,見応えがあった.
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