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2018/09/04

独断的映画感想文:菊とギロチン

日記:2018年8月某日
映画「菊とギロチン」を見る.1_2
2018年.監督:瀬々敬久.
出演:木竜麻生(花菊ともよ),東出昌大(中濱鐵),寛一郎(古田大次郎),韓英恵(十勝川たまえ),渋川清彦(岩木玉三郎),山中崇(和田久太郎),井浦新(村木源次郎),大西信満(飯岡大五郎),嘉門洋子(玉椿みつ),大西礼芳(勝虎かつ),山田真歩(小桜はる),嶋田久作(田中半兵衛).3
アナーキストグループ「ギロチン社」は,関東大震災で大杉栄が虐殺されたことに対し復讐を決意,様々な事件を起こすが不成功に終わる.
残党の中濱・古田は東京近郊の海浜に潜伏,当地巡業中の女相撲・玉岩興業の相撲を見物して大いに共感,玉岩興業のチラシを作成して配布する等,行動を共にする様になる.4
一座には山形出身の力士の他,朝鮮人で遊郭にいた十勝川,沖縄出身の与那国等がおり,前頭の花菊は姉の死後その後妻に入るが,夫の暴力に耐えかねて逃げ出し一座に加わっている.
親方の岩木は興行主との関係を保ちつつ,様々な出自の力士達に目配りする,芯のしっかりした豪気な男.中濱・古田の出入りも黙認する.やがて中濱は十勝川と,古田は花菊とお互いに好意を持つ様になる.
5
一方地元の在郷軍人会の分会長・飯岡は,十勝川を朝鮮人と知り,拉致・拷問して震災時の朝鮮人の「犯行」を「自白」させようとするが….
3時間を越える長尺だが,アナキストグループと女相撲という特異な集団の交流を描いて間断するところがない.女相撲の興業を見事に再現した映像は,素晴らしかった.巡業地の砂浜で一座と中濱・古田,更に震災難民や地元の漁師も交えて踊り歌うシーンは誠に印象的.2
この後アナキストグループは闘争をエスカレート,また一座には花菊の夫が妻を取り戻しに来る等波乱が続く.大正13年・14年という,経済的破綻と軍部の台頭する不穏な空気を背景に描かれる勇壮な叙事詩.見応えあり.
★★★★(★5個が満点)
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