番外:独断的歌舞伎感想文 2018年12月国立劇場「通し狂言 増補双級巴―石川五右衛門」
日記:2018年12月某日
国立劇場で歌舞伎を見る.
三世瀬川如皐=作.国立劇場文芸研究会=補綴.国立劇場美術係=美術.「通し狂言 増補双級巴 (ぞうほふたつどもえ) ―石川五右衛門(いしかわごえもん)―四幕九場:中村吉右衛門宙乗りにてつづら抜け相勤め申し候」.
発端 芥川の場.序幕 壬生村次左衛門内の場.二幕目 第一場 大手並木松原の場/第二場 松並木行列の場.三幕目 第一場 志賀都足利別館奥御殿の場/第二場 同 奥庭の場/第三場 木屋町二階の場.大詰 第一場 五右衛門隠家の場/第二場 藤の森明神捕物の場.
主な配役:石川五右衛門(中村吉右衛門),壬生村の次左衛門(中村歌六),三好修理太夫長慶(中村又五郎),此下藤吉郎久吉後ニ真柴筑前守久吉(尾上菊之助),大名粂川但馬(中村松江),大名田島主水/早野弥藤次(中村歌昇),足柄金蔵/大名白須賀民部(中村種之助),次左衛門娘小冬(中村米吉),大名天野刑部/小鮒の源五郎(中村吉之丞),大名星合兵部/三二五郎兵衛(嵐橘三郎),呉羽中納言氏定/大名六角右京(大谷桂三),足利義輝(中村錦之助),傾城芙蓉/五右衛門女房おたき(中村雀右衛門),義輝御台綾の台(中村東蔵).
前半序幕からは,自らの出自を知った石川五右衛門が大望を抱き,勅使に化けて将軍邸に乗り込み,幼馴染みの此下藤吉郎に見破られ,つづらで宙を飛び脱出するという,なかなか派手な展開.
しかし後半では,その前半は全て夢であったというところからスタートし,話のスケールが一挙に小さくなったという印象は否めない.
結局五右衛門は親子の情愛の絡んだ葛藤の挙げ句,此下藤吉郎に捕縛されるのだが,最後の立ち回りも老優吉右衛門にはいささか酷で,通し狂言ではなく途中で止めておけば良かったのにというのが正直なところ.
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