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2019/01/14

独断的映画感想文:シェイプ・オブ・ウォーター

日記:2018年12月某日
映画「シェイプ・オブ・ウォーター」を見る.1
2017年.監督:ギレルモ・デル・トロ.
出演:サリー・ホーキンス(イライザ),マイケル・シャノン(ストリックランド),リチャード・ジェンキンス(ジャイルズ),ダグ・ジョーンズ(不思議な生きもの),マイケル・スタールバーグ(ホフステトラー博士),オクタヴィア・スペンサー(ゼルダ),デヴィッド・ヒューレット(フレミング),ニック・サーシー(ホイト元帥).4
1960年代のアメリカ,幼い時に声帯を傷つけられ言葉を失ったイライザは,政府の研究所で夜勤の掃除婦として働いている.映画館の屋根裏のアパートに住む彼女の話し相手は,同じアパートに住む売れないゲイの挿絵画家・ジャイルズと,同僚の黒人女ゼルダのみ.5
或る日研究所に運び込まれた不思議な生きものは,アマゾンの原住民に神と崇められている半魚人だった.その魅力に惹かれてゆで卵を差し入れてから,イライザはたびたび「彼」と会い,手話でコミュニケーションを試みる様になる.
次第に「彼」に愛情を抱く様になるイライザ,しかし「彼」は担当のストリックランドにより生体解剖に付されることになる.研究所に潜り込んだロシアのスパイとも交錯する中,イライザは独自に「彼」を救出しようと奔走するが….
黒い童話「パンズ・ラビリンス」の印象が未だに鮮やかなこの監督の,同じ色調の映画.
3
冷戦下の軍の意向を受け,残忍に「彼」を管理するストリックランドに対し,イライザをはじめ黒人女性,ゲイの画家,落ちこぼれロシアスパイ等が「彼」の救出に連携する展開は,なかなかスリリング.一方,類型的なロシアスパイの活動描写でのユーモアや,タイミング良く流されるこの時代のアメリカンポップスが心地よい.
そして何より,イライザと「彼」の純粋な交流が素晴らしい.ラストシーンでイライザと共に去って行く「彼」には,涙を禁じ得なかった.
2
俳優ではサリー・ホーキンス,オクタヴィア・スペンサーが共に素晴らしく,またマイケル・シャノンも熱演.映画らしい描写に満ちた監督の演出も味わい深い.
★★★★☆(★5個が満点)
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