独断的映画感想文:焼肉ドラゴン
日記:2019年1月某日
映画「焼肉ドラゴン」を見る.
2018年.監督:鄭義信.
出演:真木よう子(長女・静花),井上真央(次女・梨花),大泉洋(哲男),桜庭ななみ(三女・美花),大谷亮平(長谷川さん),ハン・ドンギュ(尹大樹),イム・ヒチョル(呉日白),大江晋平(末っ子・時生),宇野祥平(呉信吉),根岸季衣(美根子),イ・ジョンウン(母・英順),キム・サンホ(父・龍吉).
万博間近の1969年,空港に隣接する大阪の下町にある在日コリアンの焼き肉屋「ドラゴン」.
父・龍吉は済州島の出身で、戦争で左腕を失った.先妻との間の二女と後妻・英順の連れ子美花,英順との間の子・時生と暮らしている.
今日は次女・梨花と同じ在日の哲夫の結婚式だというのに,役所の差別的言辞に怒った哲夫が結婚届を破ってしまい,梨花と哲夫が大げんかをしながら戻って来る.長女の静花が二人を仲直りさせるが,哲夫は以前は静花の恋人だったらしい.静花は店の客・尹に好意を持たれている.三女・美花は歌手を目指しクラブのマスター長谷川と恋仲だが,長谷川には妻がいる.
中学生の時生は父の計らいで進学校に通っているが,いじめに遭って失語症に陥っている.この一家の,時代に翻弄されながら生きていく姿を描く映画.
物語は家族の生い立ちや男女の確執の変転を追ってテンポ良く展開し,間断するところがない.
俳優達それぞれが達者な演技を示すが,特に両親を演じるイ・ジョンウンとキム・サンホの存在感は圧倒的.終盤,美花に長谷川が求婚する場面での龍吉の訥々とした日本語の台詞には,涙を禁じ得なかった.
登場人物達は個々の事情で最後には別れ別れになっていくが,それぞれが逞しく生きていくことを示唆するラストシーンは感銘的である.映画らしい映画,見て損はなし.
★★★★☆(★5個が満点)
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