独断的映画感想文:夜明け(2019)
日記:2019年2月某日
映画「夜明け(2019)」を見る.
2019.監督:広瀬奈々子.
出演:柳楽優弥(シンイチ/芦沢光),YOUNG DAIS(庄司大介),鈴木常吉(米山源太),堀内敬子(成田宏美),小林薫(涌井哲郎).
映画の冒頭,夜明け前の鉄橋から花束を投げる青年.
翌朝,釣に行く途中の哲郎は川辺で倒れている青年を発見する.やもめ暮らしの哲郎はそのまま青年を連れて帰る.青年はシンイチと名乗るが,それは哲郎の8年前に交通事故死した一人息子と同じ名前だった.
哲郎は訳あり風のシンイチを家に引き取り,自分の木工所で木工を仕込むことにする.徐々に周囲に溶け込んでいくシンイチだが,シンイチには名前を偽らねばならない彼なりの事情があった.
哲郎は近々従業員の宏美と再婚同士の結婚式を控えている.哲郎はシンイチを息子同様に扱おうとするが,哲郎にも死んだ妻と息子との辛い過去があった….
過去にトラウマを抱えた同士の疑似親子の試みがどうなるのかというヒューマンドラマ.
プロット自体には思いがけないものはない.予想される困難が出来し,予想される結末がやって来る.ラストシーンのシンイチのアップは,これから彼がどうするのか,観客に問いかけるかの様だ.
気弱で優しいシンイチを演じる柳楽優弥が見応えあり.表情も乏しく,常に囁くような声で喋るシンイチを演じて,次第にシンイチがどういう人間なのか,シンイチの苦しみは何なのかを観客に滲み込ませて行く.小林薫も矛盾ある哲郎を過不足無く演じ素敵.
木工所の従業員が出入りする酒場のマスターのパワハラエピソードなど,描き方はもう一つ納得出来ないが,監督の今後に期待する.
★★★(★5個が満点)
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