番外:独断的歌舞伎感想文 2019年2月歌舞伎座夜の部 熊谷陣屋/當年祝春駒/名月八幡祭
日記:2019年2月某日
二月大歌舞伎夜の部を見る.
一、一谷嫩軍記-熊谷陣屋(くまがいじんや)」.出演:熊谷直実(吉右衛門),藤の方(雀右衛門),源義経(菊之助),亀井六郎(歌昇),片岡八郎(種之助),伊勢三郎(菊市郎),駿河次郎(菊史郎),梶原平次景高(吉之丞),堤軍次(又五郎),白毫弥陀六(歌六),相模(魁春).「二、當年祝春駒(あたるとしいわうはるこま)」.出演:工藤祐経(梅玉),曽我五郎(左近),大磯の虎(米吉),化粧坂少将(梅丸),曽我十郎(錦之助),小林朝比奈(又五郎).「三、名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)」.初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言.池田大伍 作,池田弥三郎 演出.出演:縮屋新助(松緑),芸者美代吉(玉三郎),魚惣(歌六),船頭長吉(松江),魚惣女房お竹(梅花),美代吉母およし(歌女之丞),藤岡慶十郎(梅玉),船頭三次(仁左衛門).
熊谷陣屋は当代吉右衛門の当たり役,その素晴らしい演技を堪能した.
特に最後の場面,我が子の首を凝視した後花道を去って行く,何とも言えない哀しさ・寂しさの中にやるべきことをしたという微かな笑みを含んだ姿が,感銘的.
名月八幡祭は仁左衛門と玉三郎のお似合いの好演,松緑の狂気にいたる律儀な田舎者の追い詰められ様が,共にはまり役で見応えあり.両方の芝居で歌六の演技がこの人ならではで印象に残った.
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