番外:独断的歌舞伎感想文 3月大歌舞伎昼の部 女鳴神/傀儡師/傾城反魂香
日記:2019年3月某日
「一、女鳴神(おんななるかみ)龍王ヶ峰岩屋の場」.出演:鳴神尼(孝太郎),雲野絶間之助/佐久間玄蕃盛政(鴈治郎).「二、傀儡師(かいらいし)」.出演:傀儡師(幸四郎).近松門左衛門 作.「三、傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 近江国高嶋館の場より土佐将監閑居の場まで〈高嶋館・竹藪〉」.出演:狩野四郎二郎元信(幸四郎),不破入道道犬(猿弥),銀杏の前(米吉),長谷部雲谷(松之助),不破伴左衛門(廣太郎),宮内卿の局(笑三郎),狩野雅楽之助(鴈治郎).「同 〈土佐将監閑居〉」.出演:浮世又平後に土佐又平光起(白鸚),女房おとく(猿之助),土佐修理之助(高麗蔵),百姓庄右衛門(寿猿),将監北の方(門之助),土佐将監光信(彌十郎),狩野雅楽之助(鴈治郎).
鳴神と逆転の女鳴神は,孝太郎の程よい色気と凄みが相俟って,なかなか面白かった.特に最後の鴈治郎の押し戻しが,狂言のバランスをまさに押し戻して素晴らしい.劇場に轟き渡る鴈治郎の大音声が印象的.
傾城反魂香は,初めて見た〈高嶋館・竹藪〉の場が,虎の活躍もあって印象に残ったが,結局姫君がどうなるのかは判らず終い.〈土佐将監閑居〉の場との繋がりも腑に落ちず.
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