独断的映画感想文:ブラック・クランズマン
日記:2019年4月某日
映画「ブラック・クランズマン」を見る.
2018年.監督:スパイク・リー.
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン(ロン・ストールワース),アダム・ドライヴァー(フリップ・ジマーマン),ローラ・ハリアー(パトリス・デュマス),トファー・グレイス(デビッド・デューク),コーリー・ホーキンズ(クワメ・トゥーレ),ライアン・エッゴールド(ウォルター・ブリーチウェイ),ヤスペル・ペーコネン(フェリックス),アシュリー・アトキンソン(コニー),ポール・ウォルター・ハウザー(アイヴァンホー).
1970年代前半,コロラド州コロラドスプリングス警察署初の黒人警官となったロンは,潜入捜査担当を命じられる.黒人大学生組織が開催したブラックパンサー党の演説会に潜入したロンは,主催者のローラと知り合う.
他方,ロンは新聞広告に掲載されていた過激な白人至上主義団体KKK<クー・クラックス・クラン>のメンバー募集に電話をかけ黒人差別をアピール,幹部から採用面接に来る様誘われる.ロンは同僚のユダヤ人刑事・フリップを説き伏せ,フリップが面接を受けまんまと会員になることに成功する.
かくてロンは電話で,フリップは参加して,黒人とユダヤ人排撃のKKKの内部捜査を進めることになる.KKK内部の過激派フェリックス夫妻はローラ等黒人活動家への爆弾テロを計画,一方ロンはコロラドにやって来るKKKの幹部デュークの警護担当を命じられるが….
コメディと称しているが,スパイク・リー監督らしい尖った作品.終盤のスリリングな展開は結構面白いし,ロンとローラの今後が予断を許さないものであることを暗示するラストシーンも印象的.エピローグもアメリカの現状を反映したイタい映像で締めくくられ,スパイク・リー監督の現代を見る眼差しを感じる.
ジョン・デヴィッド・ワシントンの父デンゼル・ワシントンは26年前,この監督で「マルコムX」を撮ったが,本作冒頭のブラックパンサー党・ストークリー・カーマイケルのアジテーションに,「マルコムX」のそれを思い出した.
本作は設定が奇想天外でそれ自体がコメディと思えるが,後味はいささか苦い映画,見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点).
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