独断的映画感想文:のみとり侍
日記:2019年5月某日
映画「のみとり侍」を見る.
2018年.監督:鶴橋康夫.
出演:阿部寛(小林寛之進),寺島しのぶ(おみね/千鶴),豊川悦司(清兵衛),斎藤工(佐伯友之介),前田敦子(おちえ),風間杜夫(甚兵衛),大竹しのぶ(お鈴),松重豊(牧野備前守忠精),桂文枝(田沼意次).
徳川家治の治世,田沼意次が老中を務めた時代.長岡藩の勘定方吟味役・寛之進は,和歌の会で藩主・牧野備前守忠精の作が良寛の和歌とそっくりと指摘したため逆鱗に触れ,禄を失いのみとり侍に左遷されてしまう.
止むなく猫の蚤とりの親方・甚兵衛のもとに転げ込むが,曰くありげな寛之進を仇討ちのため身をやつす浪人と勝手に勘違いした甚兵衛夫妻は,のみとりの初歩から手ほどきし長屋の世話もしてくれる.
のみとりの実態は女性に買われる“添寝業”だった.初日に声をかけてきた女性おみねは,亡妻・千鶴に瓜二つの囲われもの,しかしおみねに「下手くそ」と罵倒された寛之進はすっかり自信を失ってしまう.
一方街で寛之進に助けられた清兵衛は,恐妻家の浮気者.清兵衛が浮気の手助けを頼んできたのに対し,寛之進は愛の手管を教えてもらおうとするが….
何とも奇妙な設定の時代劇コメディ.実力派の俳優達が真面目に取り組んでいる前半は見応えあり.清兵衛と愛人や寛之進とおみねの濡れ場も,おおらかで美しい.まあ寛之進がこの稼業に真面目に取り組んで,成果を出してしまう辺りがおかしいし,寛之進を買う山村紅葉のシーン等面白い場面もあった.
ただ,終盤に向けて大団円に雪崩れ込んでいく筋書は,何とも御都合主義の平凡な展開で,いささかがっかり.後半はやや腰砕けの感がありました.
★★★(★5個が満点)
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