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2019/05/21

独断的映画感想文:パターソン

日記:2019年5月某日
映画「パターソン」を見る.1_16
2016年.監督:ジム・ジャームッシュ.
出演:アダム・ドライヴァー(パターソン),ゴルシフテ・ファラハニ(ローラ),バリー・シャバカ・ヘンリー (ドク),クリフ・スミス(メソッド・マン),チェイセン・ハーモン(マリー),ウィリアム・ジャクソン・ハーパー(エヴェレット),永瀬正敏(日本の詩人),ネリ(マーヴィン).2_15
ニュージャージー州パターソン市に住む市と同名のパターソンは,市バスの運転手.小さな家に恋人ローラと愛犬マーヴィンと暮らしている.
目覚ましが無くても6時過ぎには起きるパターソン,ローラはその朝見た夢を呟いてまた寝てしまう.パターソンは一人でシリアルの朝食を食べ,ローラの作っておいた弁当を持って出勤し,一日中バスを運転する.今朝はローラが双子を授かった夢を見たと言ったので,街は双子だらけの様に見える.仕事が終わって帰宅後は,マーヴィンを連れて散歩に出るが,途中でマーヴィンを待たせ,バーでビールを飲むのが日課.3_13
一方ローラは白と黒を基調としたアートで家中を飾る.ローラの夢は白と黒に塗ったギターを持って歌手デビューすることだ.一方パターソンは秘密のノートに毎日できた詩を書き付けている.ローラは詩のコピーを取り,詩人としてデビューする様説得するのだが….5_10
映画は特にドラマチックなことが起きる訳でもなく,控えめなユーモアと日常的な事件の積み重ねで進行する.主人公ら3人に加え,バーの常連の双子サムとデイブや,バーを仕切っているが奥さんには全く頭の上がらないドク,バーでしょっちゅう別れ話で喧嘩しているマリーとエヴェレット等,登場人物が面白い.
詩人パターソンが書き付ける詩もなかなかに素敵.
特筆すべきはブルドッグのマーヴィンを演じたネリで,達者な演技で2016年のカンヌ映画祭パルムドッグ賞を受賞した.惜しくも彼女は同年癌で死去し,映画は彼女に捧げられている.4_13
映画はパターソンの日常を描写していくが,パターソンの詩の朗読によって,描かれる街が様々な断面を示していく点が,この映画の面白さ.映画らしい映画である.
★★★☆(★5個が満点).
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