独断的映画感想文:女神の見えざる手
日記:2019年5月某日
映画「女神の見えざる手」を見る.
2016年.監督:ジョン・マッデン.
出演:ジェシカ・チャステイン(エリザベス・スローン),マーク・ストロング(ロドルフォ・シュミット),ググ・ンバータ=ロー(エズメ・マヌチャリアン),アリソン・ピル(ジェーン・モロイ),マイケル・スタールバーグ(パット・コナーズ),ジェイク・レイシー(フォード),サム・ウォーターストン(ジョージ・デュポン),ジョン・リスゴー(スパーリング上院議員),デヴィッド・ウィルソン・バーンズ(ダニエル・ポスナー).
大手ロビー会社「コール=クラヴィッツ&W」に働くスローンは,数々の実績を挙げてきた凄腕のロビイスト.ある日銃擁護団体から,新しい銃規制法案成立阻止の依頼を受ける.
ところがスローンはこれを拒否,自分の部下を率いて新興ロビー会社のシュミットのもとに移籍する.しかし彼女の右腕ジェーンだけは移籍に加わらなかった.
スローンは戦略的な活動を実施,劣勢だった銃規制派は急速に盛り返す.更にスローンはこれまで議論の圏外に居た女性票を狙い,女性ボランティア団体を組織して膨大な献金を確保すると共に,スタッフのエズメが銃による殺人の遺児であることを公にしてキャンペーンを張る.
ところがエズメが暴漢の襲撃を受け,銃を正規に所持していた市民に暴漢が射殺されると,銃擁護団体は一気に反撃に出る.更に彼等はスローン個人を焦点に,スローンの過去のロビー活動の違法性を公聴会で審問する準備を整えた….
法案成立か阻止かを巡るロビイスト達の,合法非合法織り交ぜた熾烈な闘いを描くポリティカルサスペンス.終盤,スローンの個人攻撃に焦点を絞った銃擁護派は,スローンの過去の活動の違法行為の証拠をジェーンの協力で押さえ,いよいよ公聴会の最終日となる.
スローンの公聴会に衆目が集まり,銃規制法案の行方には既に誰も関心を持たない.この状況からスローンは如何に脱出し,更に巻き返しを図ることが可能か?このあとのスローンの捨て身の反撃がこの映画の醍醐味.
ポリティカルサスペンスとは言え,殆ど正統派ミステリーに近いどんでん返しである.映像も青に偏った色調で緊張感ある画面を維持し,まことに魅力的.出演者の早口の情報のやり取りについていくのは大変だが,見応えある映画.
★★★★(★5個が満点)
人気ブログランキングへ
コメント