番外:独断的歌舞伎感想文 秀山祭九月大歌舞伎昼の部 極付幡随長兵衛/お祭り/沼津
日記:2019年9月某日
歌舞伎座で秀山祭九月大歌舞伎 昼の部を見る.
「河竹黙阿弥作 一、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ) 「公平法問諍」」.出演:幡随院長兵衛(幸四郎),水野十郎左衛門(松緑),唐犬権兵衛(錦之助),長兵衛女房お時(雀右衛門).「二、お祭り(おまつり)」.出演:鳶頭(梅玉),芸者(魁春),芸者(梅枝).「三世中村歌六 百回忌追善狂言:伊賀越道中双六 三、沼津(ぬまづ)」.出演:呉服屋十兵衛(吉右衛門),平作娘お米(雀右衛門),池添孫八(錦之助),旅人夫(歌昇),旅人女房(種之助),初お目見得:旅人倅(小川綜真(歌昇長男)),茶屋娘おくる(米吉),荷持安兵衛(又五郎),雲助平作(歌六).
「極付幡随長兵衛」は,劇中劇「公平法問諍」が面白い.こっちの配役も結構豪華.幸四郎の幡随長兵衛はやや貫禄不足.ある日突然に水野の屋敷に死にに行くと言う幡随長兵衛の言葉を周囲が受け入れるのも,とにかくこの人のカリスマ的偉さがあるからで,そこが足りないと,みすみす水野の屋敷に行くのを何故止めないのか,不思議な感じになる.
最後は無事吉右衛門が病休から復帰した「沼津」.この芝居は,通し狂言「伊賀越道中双六」全体の複雑な構成が頭に入っていないと,理解し難い.最近は同じ狂言の岡崎を共通する配役で何度か見ているので,話がこんがらかって困った.吉右衛門,雀右衛門,歌六の芝居はさすがに隙がなく,高い緊張感で終始する.実に見応えあり.
あいだの「お祭り」は息抜きにぴったりのくだけた踊り.
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