独断的映画感想文:終わった人
日記:2019年10月某日
映画「終わった人」を見る.
2017年.監督:中田秀夫.
出演:舘ひろし(田代壮介),黒木瞳(田代千草),広末涼子(浜田久里),臼田あさ美(山崎道子),今井翼(鈴木直人),野澤しおり(山崎麻衣),ベンガル(工藤元一),高畑淳子(桜田美雪),岩崎加根子(田代ミネ),渡辺哲(川上喜太郎),田口トモロヲ(青山俊彦),笹野高史(二宮勇).
田代壮介は東大出の大手銀行マンながら,出世競争に敗れ出向先の専務でそのまま定年.翌日からやることもなく無為に日々を過ごす.
周りから叱咤激励されカルチャースクールに通うと,そこの受付・久里となかなか良い雰囲気に,またスポーツジムで知り合った鈴木からは経歴を見込まれ,鈴木経営のITベンチャーに顧問就任を懇請される.顧問として仕事を再開し,久里とも付き合うようになって大いに気をよくした壮亮だったが….
映画自体はコメディだと主張しているようだ.しかし久里との顛末はともかく,話の全体はコメディといった感じではない.
そもそも物語は引退後の濡れ落ち葉現象や熟年離婚から,壮介の経営能力不足で発生する重大な事態まで,エピソードが多岐に亘りすぎて話の芯が見えにくい.終いには壮介はそれまで殆ど帰らなかった故郷岩手に舞い戻ることになるのだが,そこに至る過程も成り行き任せで,なかなかこの主人公に共感するところまでは行かない.
定年あるある物語のコメディの線と,一人の男の人生再出発の話が,最終的にかみ合わないまま映画は終了してしまった感じである.
★★★(★5個が満点).
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