独断的映画感想文:散り椿
日記:2019年11月某日
映画「散り椿」を見る.
2018年.監督:木村大作.
出演:岡田准一(瓜生新兵衛),西島秀俊(榊原采女),黒木華(坂下里美),池松壮亮(坂下藤吾),緒形直人(篠原三右衛門),新井浩文(宇野十蔵),柳楽優弥(平山十五郎),芳根京子(篠原美鈴),駿河太郎(坂下源之進),渡辺大(千賀谷政家),麻生久美子(瓜生篠),石橋蓮司(田中屋惣兵衛),富司純子(榊原滋野),奥田瑛二(石田玄蕃).
瓜生新兵衛はかって扇野藩勘定方の武士,平山道場の四天王と言われた腕の持ち主.勘定方の不正を訴え出た事件後脱藩,8年後の今は地蔵院の庫裡で妻・篠と共に暮らす.
篠は労咳を病み,死に臨んで新兵衛に藩に戻り,榊原采女を助けるよう言い残す.
四天王の一人で今は側用人を務める采女は,かって篠を巡る恋敵でもあった.新兵衛は不正事件の真相と,篠の遺言の真意を確かめるべく,扇野藩に戻るが….
地方ロケの映像が美しく,これだけで見る値打ち充分.岡田准一の殺陣は目にも止まらぬ速さ,冒頭のシーンで殺到する3名を一瞬の間に切り伏せた動きを始め,圧倒的な迫力を見せる.麻生久美子,黒木華,富司純子の女優陣も見応えあり.この様に時代劇として骨格は一応出来ている.
残念なのは勘定方不正事件の真相が見えてこないところで,現家老・石田玄蕃の企むお家乗っ取りと過去の不正事件の処理が,どう繋がっているのか判然としない.篠の兄であるやはり四天王の源之進の,切腹の理由も腑に落ちない.
その他新藩主政家が狙撃された時の家臣の動き方(皆狙撃犯を追って行ってしまい,主君を身を挺して守るものは誰も居ない)等,突っ込みどころは幾つかある.なかなか必要十分条件をきちんと満たした時代劇を見るのは難しくなった.
★★★☆(★5個が満点)
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