独断的映画感想文:レディ・バード
日記:2020年1月某日
映画「レディ・バード」を見る.
2017年.監督:グレタ・ガーウィグ.
出演:シアーシャ・ローナン(クリスティン・“レディ・バード”・マクファーソン),ローリー・メトカーフ(マリオン・マクファーソン),トレイシー・レッツ(ラリー・マクファーソン),ルーカス・ヘッジズ(ダニー・オニール),ティモテ・シャラメ(カイル・シャイブル),ビーニー・フェルドスタイン(ジュリー・ステファンス).
サクラメントに住む高校生のクリスティンは,両親の間に遅く生まれた子.精神科看護師の母,失業している父,養子の兄ミゲルとその恋人シェリーの5人で暮らしている.
自分をレディ・バードと周りに呼ばせているクリスティン,大学志望だが家にはその余裕は無い.親友ジュリーと高校のミュージカルのオーディションに合格し,そこで出会ったダニーと交際を始めるが,ダニーの家は街の反対側にある豪邸だった.その後ダニーはゲイであることが判り,そのことに不安を持つダニーを彼女は逆に慰める.
一方パーティーで知り合ったバンドのメンバー・カイルと良い関係になるクリスティン,しかし大学受験は難航し,周りとの人間関係も険悪になる彼女だった….
17歳から18歳の揺れ動くクリスティンの心を描く佳作.母は一家の経済を一手に背負ってゆとりが無くクリスティンにも辛辣,一方父はクリスティンに助力を惜しまないがうつを病み失業中.その中で何者かになろうと背伸びしていくクリスティンの成長と蹉跌が印象的.
高校の友人は豪邸に住む子もいれば普通の家庭の子もいて人種も様々,そういうアメリカ社会の現状が描かれているのも興味深い.映画の終盤,大学に入った早々滅茶をした翌朝,母親の留守録に素直な言葉を残すクリスティンのシーンが素敵.映画らしい映画で見応えあり.
★★★★(★5個が満点).
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