« 2020年3月 | トップページ | 2020年5月 »

2020年4月に作成された記事

2020/04/22

番外:独断的歌舞伎感想文:3月大歌舞伎昼の部 雛祭り/新薄雪物語

日記:2020年4月某日
3月大歌舞伎の公開映像を見る.Kabukiza2003_hh_be174c89a061c987c89368ab 「一、雛祭り(ひなまつり)」.出演:女雛(福助),男雛(芝翫),五人囃子(歌昇),同(廣太郎),同(種之助),同(虎之介),同(吉之丞),官女(梅花),右大臣(彌十郎),左大臣(東蔵).通し狂言「二、新薄雪物語(しんうすゆきものがたり) 花見 詮議 広間 合腹」.出演:幸崎伊賀守(吉右衛門),葛城民部(梅玉),秋月大膳(歌六),腰元籬(扇雀),奴妻平(芝翫),薄雪姫(孝太郎),園部左衛門(幸四郎),茶道珍才(種之助),花山艶之丞(松之助),渋川藤馬(吉之丞),役僧雲念(橘三郎),清水寺住職(錦吾),来国行(家橘),刎川兵蔵(錦之助),団九郎(又五郎),松ヶ枝(雀右衛門),梅の方(魁春),園部兵衛(仁左衛門).
「雛祭り」は飾られた雛人形達が,桃の節句の夜に内裏雛が引っ込んだ後白酒を飲んで大騒ぎとなるという,群舞を交えた踊り.福助が左手一つの動きながら芝翫と踊り元気な笑顔を見せていた.官女では久しぶりに見た柴のぶちゃんが相変わらずきれいでうまい.
「花見」では孝太郎が世間知らずだが一途な薄雪姫を演じ素敵.芝翫の奴妻平が手馴れた所作で大立ち回りを捌くのもさすがだった.「詮議」では左衛門と薄雪姫の錯乱ぶりが良い(この二人は「年端もいかぬ」年齢同士ということになっている).吉右衛門と仁左衛門の息が合い,呼応してかわす台詞の応酬も味わい深い.
「広間」では兵衛が薄雪を落としてやる場面での仁左衛門の情愛溢れる芝居に泣かされた.「合腹」での吉右衛門は重厚な芝居といい左衛門を叱責する大音声の台詞といい,実に印象的.
仁左衛門が登場して,魁春と3人揃う幕切れの笑いは,全てを失った後の心の平安を感じさせて,感動的であった.吉右衛門仁左衛門共に,無観客という異常な状況ながら素晴らしい演技を映像に残してくれたことに,感謝するのみ.
にほんブログ村 映画ブログへ にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ

 

| コメント (0)

2020/04/19

番外:独断的歌舞伎感想文:3月国立劇場 義経千本桜(映像)

日記:2020年4月某日
国立劇場3月公演の筈だった義経千本桜のAプロ・BプロをU-TUBE公開映像で見る.Flyer_v21
主な配役:佐藤忠信実ハ源九郎狐/渡海屋銀平実ハ新中納言知盛/いがみの権太/佐藤忠信(尾上菊之助),源義経(中村鴈治郎),武蔵坊弁慶/逸見藤太(坂東亀蔵),銀平女房お柳実ハ典侍の局/弥助実ハ三位中将維盛/静御前(河連法眼館)(中村梅枝),主馬小金吾/駿河次郎(河連法眼館)(中村萬太郎),片岡八郎(市村竹松),静御前(鳥居前)/弥左衛門娘お里(中村米吉),梶原の臣(市村光),銀平娘お安実ハ安徳帝(尾上丑之助),庄屋作兵衛(中村寿治郎,相模五郎/弥左衛門女房おくら(市村橘太郎),若葉の内侍(上村吉弥),梶原平三景時/河連法眼(河原崎権十郎),法眼妻飛鳥(市村萬次郎),鮓屋弥左衛門(市川團蔵),静御前(道行)(中村時蔵)ほか.
渡海屋・大物浦の場は菊之助の知盛が素晴らしい.2015年に同役を演じたときはまだ線の細い小顔の印象があったが,今回は身体もつくり声も鍛えたのではないかと思われる,堂々たる知盛であった.
すし屋は,2014年に見た菊五郎のイガミの権太が良かった記憶がある.昨年の松緑のすし屋も良かった.今回の菊之助はこの難しい役を堂々と演じ印象的,お客の前で演じその経験を糧にさせてあげたかったと思う.
萬太郎の小錦吾も出来が良い.梅枝が沢山の役を演じて大活躍だった.
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ

| コメント (0)

« 2020年3月 | トップページ | 2020年5月 »