独断的映画感想文:竜馬を斬った男
日記:2020年6月某日
映画「竜馬を斬った男」を見る.
1987年.監督:山下耕作.
出演:萩原健一(佐々木只三郎),藤谷美和子(八重),根津甚八(坂本竜馬),坂東八十助(亀谷喜助),中村れい子(ぬい),佐藤慶(手代木直右衛門),大村崑(安浦惣兵衛),内藤武敏(板倉伊賀守),原吉実(宮川助五郎),本田博太郎(桂小五郎),久仁亮子(お龍),結城貢(西郷吉之助),片桐竜次(中岡慎太郎),島田陽子(小栄).
幕末,板倉伊賀守のもと要人暗殺に活躍していた会津藩出身の佐々木只三郎.ふとしたことで勝海舟のもとに行く途中の坂本龍馬と行き会う.その後京都見廻り組を率いるようになっ只三郎は,大政奉還を経て状況の悪化した京都で,坂本龍馬をつけねらうが….
龍馬暗殺犯と目される佐々木只三郎を描いた映画.ここで描かれる佐々木は,戦略的考え方のできない暗殺剣の名手と描かれ(佐々木只三郎が近藤勇に似てきたとからかわれムッとするところが可笑しい),一方で子供のような無邪気な感性の持ち主とも描かれる.
その意図は特に異論はないのだが,問題は萩原健一の年齢.
子供のような純な気持ちを持った凄腕の暗殺者とするには,当時37歳の萩原健一は,いくらなんでも薹が立つすぎている.全体的にこの当時の維新の活動家は,年長のものでもせいぜい30代前半で,佐々木只三郎もこの時34歳だった.若き革命家たちの物語として描くことに映画の主眼があるとすれば,もっと若い俳優たちで描くべき映画だった.アドリブ的動きを連想させるショーケンスタイルも,この年になってはいささか受け入れ難い.とはいえ映画としてはまずまずの出来,★★★☆(★5個が満点).
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