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2020/07/08

独断的映画感想文:ひろしま

日記:2020年7月某日
映画「ひろしま」を見る.1_20200709180001
1953年.監督:関川秀雄.製作会社:日教組プロ.
出演:岡田英次(北川先生),月丘夢路(米原先生),加藤嘉(遠藤秀雄),山田五十鈴(大庭みね),薄田研二(仁科博士).
被爆後7年がたった広島のある高校,担任北川の授業中倒れた大庭みち子は,そのまま白血病で入院する.同じクラスの遠藤幸夫は叔父夫婦に引き取られ,夜はキャバレーで働きながら学校に来ていたが,今は辞めてパチンコに没頭しているという.
あの日,大庭みち子の母・みねは自宅で被爆,姉・町子は勤労奉仕中被爆し,米原先生らと逃げる途中力尽きて死んだ.弟は保育園で被爆し黒焦げの死体となった.母とみち子は弟の遺体とともに逃げるが,途中の海上で母も息を引き取る.
遠藤秀雄は自宅の下敷きになった妻が焼死するのを助けられず,その後長男一郎を苦心の末見つけ出すが,一郎はすでに亡くなっていた.自らも死に瀕している病床に,疎開先から両親を探しに来た次男・幸夫と長女・洋子がやってくるが,すでに秀雄はこと切れていた….
1945年8月6日の広島を中心に,被爆の実態を圧倒的な迫力で描く.ただ被爆当日の惨状を描くだけでなく,大庭家・遠藤家を中心とした人々のドラマを語ることにより,緊張感あふれる物語の見応えある映画となった.大庭みち子は白血病で亡くなるが,遠藤幸夫は苦しみながらも生きる道を模索していく.2_20200709180001
ラストシーンでは,原爆忌に広島の街路から溢れ出るように原爆ドームに向かう,幾万幾千の人々の列,そこに重なって浮かび上がる死んだ人々の群れ,川で死んだ米原先生達,海で死んだ大庭みね達,その他名前もわからない人々が,立ち上がりこちらに向かって歩き出す.まことに印象的なシーンだ.
★★★★(★5個が満点).
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