独断的映画感想文:人生タクシー
日記:2020年8月某日
映画「人生タクシー」を見る.
2015年.監督:ジャファル・パナヒ.脚本:ジャファル・パナヒ.出演:ジャファル・パナヒ.
イランの反体制派監督:ジャファル・パナヒがタクシー運転手として市内を流し,出会う乗客や友人との交流を,車載カメラと姪のハナのカメラで撮影したドキュメンタリー(風)映画.
今日はタクシー運転手をしているパナヒ,乗り込んでくる乗客には監督本人と知って感激する人もあれば,自称犯罪者も.金魚を抱えたおばあさんも来れば,交通事故の負傷者もいる.まさに人生模様が目の前で繰り広げられる映画.
クレジットに出ているのはパナヒ本人のみで,その他「姪のハナ」は本人らしい(小学生だが達者な「演技」だ).途中で乗り込んできた友人Nasrin Sotoudehは人権派弁護士である当人らしい.その他は市井の人々らしいが,交通事故の負傷者は本当なのかなあ.
いずれにしろイランの乗り合いタクシーを利用する普通の人々の生活が垣間見え興味深いし,イランでの映画をめぐる状況も見えてくる.本作の中で本人は映画製作の停止措置を受けている身だと話しているが,こんな映画をちゃっかり撮ってひそかに国外に持ち出し,第65回ベルリン国際映画祭の金熊賞を獲得してしまった.パナヒ監督のたくましさには脱帽である.
一見の価値あり.★★★☆(★5個が満点).
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