独断的映画感想文:アマンダと僕
日記:2020年9月某日
映画「アマンダと僕」を見る.
2018年.監督:ミカエル・アース.
出演:ヴァンサン・ラコスト(ダヴィッド),イゾール・ミュルトリエ(アマンダ),ステイシー・マーティン(レナ),オフェリア・コルプ(サンドリーヌ),マリアンヌ・バスレール(モード),ジョナタン・コエン(アクセル),グレタ・スカッキ(アリソン).
主人公のダヴィッドはパリで暮らす青年,アパートに住み込んでその管理をすると共に,公園等の植栽の世話をして働いている.姉サンドリーニは学校で英語教師をして娘アマンダを育てているシングルマザー.二人の母はダヴィッドが物心つく前に離婚し英国に戻っている.父は既に亡くなり,姉弟は二人で生きてきた.
アパートの新しい住人レナはピアノの先生,ダヴィッドはレナと恋に落ち,またレナはアマンダにピアノを教えることになる.ある日突然起きたテロ事件,サンドリーニは命を落とし,レナも右手を怪我してピアノ人生を絶たれ,母の実家に戻った.残されたダヴィッドとアマンダはともに大きな不安の中に取り残される.ダヴィッドはアマンダを施設に入れるか,その後見人になるか煩悶するが….
穏やかな人生を歩んでいたかに見えた「アマンダと僕」が,思いがけない災厄の中で,生きる確信をどのように取り戻していくかを描く.
生前サンドリーヌはウィンブルドンにテニス観戦に行く計画を立て,その折母アリスンにダヴィッドを引き合わせようと考えていた.ダヴィッドは顔も知らない母に会う気もなかったのだが,アマンダと暮らすうちにその考えも変わっていく.
アマンダが元気を取り戻し,ダヴィッドが大人の青年に変わっていく姿が印象的だ.物語を「アマンダと僕」の等身大の目線から一貫して描く視点も好ましい.ヴァンサン・ラコストとステイシー・マーティンの男女像も素敵.
ところで,最近見た映画「荒野にて」では,主人公の少年が幼い時に母に捨てられ父を事件で失う設定になっている.また,その次に見た映画「gifted/ギフテッド」では,姉の遺児を弟が育てる設定になっている.見た映画が偶然似通った設定を持つことは時々あるが,最近はこんな設定がはやりなのかしら.
★★★☆(★5個が満点).
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