独断的映画感想文:世界の涯ての鼓動
日記:2020年9月某日
映画「世界の涯ての鼓動」を見る.
2017年.監督:ヴィム・ヴェンダース.音楽:フェルナンド・ベラスケス.
出演:ジェームズ・マカヴォイ(ジェームズ・モア),アリシア・ヴィカンダー(ダニー・フリンダーズ),アレクサンダー・シディグ(ドクター・シャディッド),ハキームシェイディ・モハメド(アミール・ユスフ・アル=アフガニ).
ダニーは海洋生物学者,北大西洋の深海に潜り,太古の生命の姿をとどめる微生物を採集しようとしている.ジェームズはMI6のエージェント,ソマリアに潜入してヨーロッパ各地で勃発する原理主義テロリストの活動を阻止しようとしている.
それぞれの「仕事」の前に,ともにノルマンディーの海岸のホテルで休暇を取った二人は,その場で恋に落ちる.5日間共に過ごした後別れる二人,しかし互いがかけがえのないパートナーであることを確信している.
ダニーは同僚と船に乗り込み,自分の潜水の順番まで他のクルーのサポート作業や成果の分析に従事するが,ジェームズと全く連絡が取れないことに心を痛めていた.一方ジェームズはソマリア到着直後に逮捕され,原理主義者の拠点で監禁生活を送っていた.潜水時に万一の事故が起こったら生還の確立は極めて低いダニー,一方いつ処刑されるかもしれない日々を送るジェームズ.二人は世界の涯にいる相手を思いながら,厳しい状況を生きていたが….
恋の物語であり,愛し合った者たちの思いの強さを描く物語でもある.
主役のふたりが魅力的,特にアリシア・ヴィカンダーは,こんなに若く美しい海洋生物学の教授がいて良いのかしらと思うほど素敵.
ジェームズの先の見えない監禁・拷問生活がサスペンスフルな展開となるが,並行して描かれるダニーの傷心の姿が痛ましい.映画のラストシーンの解釈は観客に委ねられているが,最後まで緊張感にあふれた映画,音楽も素敵,見ごたえあり.
★★★☆(★5個が満点).
蛇足:スパイ映画としてみれば,ジェームズの監禁・拷問生活は計算ずくでは?という解釈も成り立つかもしれないが,そうなるとこの監督の映画じゃないよね.
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