番外:独断的歌舞伎感想文:10月歌舞伎公演第1部 源太勘当/幸希芝居遊
日記:2020年10月某日
国立劇場で歌舞伎「10月歌舞伎公演第1部 ひらがな盛衰記-源太勘当--/幸希芝居遊(さちねがうしばいごっこ)」を見る. 第一部:文耕堂ほか=作「ひらかな盛衰記(ひらがなせいすいき) -源太勘当-梶原館の場」.国立劇場美術係=美術.出演:梶原源太景季(中村梅玉),腰元千鳥(中村扇雀),局錦木(中村歌女之丞),梶原平次景高(松本幸四郎),母延寿(中村魁春).鈴木英一=作.「幸希芝居遊(さちねがうしばいごっこ)」.常磐津連中.国立劇場美術係=美術.出演:久松小四郎(松本幸四郎),金沢五平次(大谷廣太郎),二朱判吉兵衛(中村莟玉),三国彦作(澤村宗之助).
源太勘当は初見です.生っちろい優男なのに文武に秀でた源太景季と,こわもてなのに駄々っ子で泣き虫の平次景高が,小間使いの千鳥をめぐり三角関係,更に優しい母と厳しい父との関係など,ドラマの要素は揃っている.源太景季の宇治川先陣争いを述べるくだりも面白かった.しかしひらがな盛衰記というこんがらがった筋立てそのものがあまり好きではない.
幸希芝居遊は,木挽町の芝居小屋の面々が自粛の憂さに耐えかねて歌舞伎の名シーンを織り込んだ即興の踊りをかわるがわる踊るという趣向.歌舞伎が再開したこの8月から10月までに演じられた演目や,有名な狂言の見せ場をふんだんにちりばめた踊りでなかなかに楽しい.幸四郎はこういう企画ものが得意なのかもしれない.
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