独断的映画感想文:ジュディ 虹の彼方に
日記:2020年11月某日
映画「ジュディ 虹の彼方に」を見る.
2019年.監督:ルパート・グールド.
出演:レネー・ゼルウィガー(ジュディ・ガーランド),ジェシー・バックリー(ロザリン・ワイルダー),フィン・ウィットロック(ミッキー・ディーンズ),ルーファス・シーウェル(シド・ラフト),マイケル・ガンボン(バーナード・デルフォント),リチャード・コーダリー(ルイス・B・メイヤー),ロイス・ピアスン(バート・ローズ),ダーシー・ショウ(若き日のジュディ).
映画の冒頭は1968年,娘と息子の3人でドサ周りのショーを巡業するジュディ・ガーランド.借金で首は廻らず,遂にホテルからも追い出され,やむなく子供達を別れた夫シドに預ける.
何とか子供達との生活を再建しようと,ジュディは単身ロンドン公演に向かったが….
映画はこのジュディの姿と,MGMに拾われ子役として人気スターの道を歩む若き日の姿を交互に描く.
若きジュディは,太らせないためMGMから覚せい剤を使用したダイエットを強要され,1時間の昼休みも満足に得られず日に18時間働かされた.ジュディはたびたび反抗したが,そのたびにMGMのメイヤーが圧倒的力で彼女を心身ともに屈服させた.
ロンドンのショーでジュディは素晴らしい舞台を見せる一方で,泥酔し客と口論して舞台をめちゃくちゃにする日もあった.一方で彼女は楽屋口で待っていたゲイのカップルと打ち解け,その自宅で夕食をご馳走になったりする.
ジュディの素晴らしい才能と傷つきやすい心を演じるレネー・ゼルウィガーの演技は,圧巻だ.それにしても,この破滅に瀕したジュディを描いていく映画を見るのは,かなり辛い.
しかし映画の最期で,それまでの総てを超越した感動を観客は受け取るだろう.ショーとエンターティナーと客との奇跡の瞬間を知ることになるだろう.この感銘は,何ものにも代えがたい本作の魅力だ.ああ見てよかった.
★★★★☆(★5個が満点).
蛇足.ジュディはこの時代のエンターティナーとしては,数少ないLGBTへの理解者のひとりだった.LGBTの旗印がレインボーなのは,ジュディの名曲「虹の彼方に」に由来するという.
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