番外:独断的歌舞伎感想文 12月大歌舞伎 3部・4部 傾城反魂香 土佐将監閑居の場/日本振袖始 大蛇退治
日記:2020年12月某日
歌舞伎「12月大歌舞伎 3部・4部」を見る. 第三部.近松門左衛門 作.「傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 土佐将監閑居の場」.出演:浮世又平(勘九郎),女房おとく(猿之助),狩野雅楽之助(團子),土佐修理之助(鶴松),将監北の方(梅花),土佐将監光信(市蔵).
第四部.近松門左衛門 作.「日本振袖始(にほんふりそではじめ) 大蛇退治」.出演:岩長姫実は八岐大蛇(玉三郎),稲田姫(梅枝),素盞嗚尊(菊之助).
第3部は久しぶりの勘九郎,猿之助と組んだ吃又は12年前の浅草公会堂以来だそうだ.しかし勘九郎のニンとよく合ったこの吃又が素晴らしい.絶望の果てに切腹を決意するくだり,師匠に土佐姓を許されて舞う踊りの剽けた明るさ,生真面目で明るい勘九郎の持ち味が生きて感動的.猿之助の女房おとくも自在な演技で引き込まれる.團子の(身体的)成長に吃驚,しかし演技は今後に期待.
第4部は玉三郎が魅力全開,身体を絞ったと思われる岩長姫の踊り,変身した八岐大蛇の踊りともに素晴らしく息をのむ.岩長姫の踊りには,蛇身である自らへの悲哀さえ感じられるようだ.菊之助の素盞嗚尊も美しく,緊張感にあふれた舞台は一見の価値あり.
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