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2021/01/10

独断的映画感想文:リチャード・ジュエル

日記:2021年1月某日
映画「リチャード・ジュエル」を見る.1_20210110211901
2019年.監督:クリント・イーストウッド.
出演:ポール・ウォルター・ハウザー(リチャード・ジュエル),サム・ロックウェル(ワトソン・ブライアント),キャシー・ベイツ(ボビ・ジュエル),ジョン・ハム(トム・ショウ),オリヴィア・ワイルド(キャシー・スクラッグス),ニナ・アリアンダ(ナディア).5_20210110211901
1986年アトランタ,中小企業局の備品係として働いていたリチャード・ジュエルは,法執行官になることを夢見る正義感の強い男.スタッフの中で唯一リチャードを対等に扱ってくれたワトソンは,転職の挨拶に来た彼に,法執行官になってもゲスな警官にはなるなと餞別をくれる.
10年後,副保安官や大学警備員の仕事に就いたリチャード,しかしやることが一途過ぎてうまくいかない.大学警備員も学生に厳しく当たり過ぎて学長からクビを言い渡される.この年はアトランタオリンピックの年,リチャードはアトラクションの開催される公園の警備スタッフに採用され,本職の警官に交じって警備にあたる.コンサート中怪しいデイパックをベンチの下に発見したリチャードは警官に報告し,手順に従い専門家を呼ぶべきと主張,やってきた爆弾処理班はまさに爆弾を確認する.3_20210110211901
手分けして群衆を避難させ,また自分の持ち場の音響スタッフを退避させたリチャード,爆弾はさく裂し死傷者が出たが,リチャードは爆弾発見の英雄として称賛される.一方犯人の目星がつかないFBIは,学長からリチャード自身が爆弾犯では?と通報されたことから彼を重要参考人として監視,これを知った地元紙の記者キャシーは,リチャードを実名で容疑者として報道する.
あっという間に自宅はマスメディアに包囲され,FBIからは家宅捜索・尋問を受けるリチャード.彼は今は個人弁護士事務所を開設しているワトソンに弁護を依頼するが….4_20210110211901
実話に基づく物語.容疑者とされても,リチャードは生真面目で物事を真に受ける性格,法執行官への仲間意識もあってFBIの仕掛ける罠にはまっていくのを,ワトソンが必死に防衛する.FBIを向こうに回してリチャードとその母,ワトソンとその助手ナディアの懸命の闘いが続く.2_20210110211901
それほど劇的な起伏があるわけではないのに,緊張感は高く維持され,淡々と進む物語を一気に見た思いだ.終盤でついにFBIと真っ向から対決するに至ったリチャードが,一回りも二回りも大きな人物として立ち現れるシーンが印象的.サム・ロックウェル,キャシー・ベイツも素晴らしい演技だ.
★★★★(★5個が満点).
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