番外:独断的歌舞伎感想文 2月大歌舞伎第2部 土手のお六/鬼門の喜兵衛/神田祭
日記:2021年2月某日
歌舞伎座2月大歌舞伎第2部を見る.
四世鶴屋南北 作・渥美清太郎 改訂.「一、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり) 土手のお六/鬼門の喜兵衛」.出演:土手のお六(玉三郎),山家屋清兵衛(権十郎),髪結亀吉(中村福之助),丁稚長太(寺嶋眞秀),庵崎久作(吉之丞),油屋太郎七(彦三郎),鬼門の喜兵衛(仁左衛門).「二、神田祭(かんだまつり)」.出演:鳶頭(仁左衛門),芸者(玉三郎).
土手のお六は良くできた芝居だ.長い狂言の一部だけど,美男美女の悪党の強請の失敗の顛末が起承転結テンポよい.演じる玉三郎,仁左衛門は,特に小梅の莨屋の場が美しい.店に出入りするそれぞれの関係者の話,預けていく小道具を眺めながら黙って酒を飲む二人.立ち上がる頃にはもう悪事の筋書きが二人の中に出来上がっている.その後の悪事の仕掛けをしながらの二人の美しい見得が浮世絵のようで,緊張感にあふれ素敵.それが瓦町油屋の店先の場で,見事に失敗する顛末も見ごたえあり.
神田祭は棟梁・芸者の美しい踊りに酔うばかり.まさに一世を風靡するご両人だった.
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