独断的映画感想文:Red
日記:2021年2月某日
映画「Red」を見る.
2019.監督:三島有紀子.
出演:夏帆(村主塔子),妻夫木聡(鞍田秋彦),柄本佑(小鷹淳),間宮祥太朗(村主真),片岡礼子(ふみよ),酒向芳(睦夫),山本郁子(村主麻子),浅野和之(村主宏),余貴美子(緒方陽子).
映画の冒頭,大雪の道路脇の電話ボックス,塔子が出てくる.車の脇でタバコを吸いながら待つ鞍田.道路を疾走するトラックの荷台から千切れた赤いフラッグが,白い雪の上に落ちる.
塔子は夫・真,義父母,一人娘の翠と暮らす主婦.真は仕事一辺倒の人間,塔子には主婦と母親の役割を求める.塔子の父は女を作って音信不通だが,真の指示で義父母には父はアメリカ滞在中と言い繕っている.ある日真に連れられて出た会合で,真から先に帰るようメモを渡された塔子は,そこで10年前の恋人鞍田と会う.
いきなり激しいキスをされた塔子,その日は海岸までのドライブを楽しむが,しばらくして鞍田の勤める建築設計事務所の求人案内が家に届いた.学生時代建築士・鞍田のアシスタントのバイトを務めた塔子は面接に合格,真を口説き落として設計事務所で働くことに.仕事が軌道に乗ったある日,求められて鞍田のサポートを勤めた塔子は,その日のうちに鞍田と深い関係になる….
いかにも「上級国民」的な村主家,そこから疎外され家族になり切れない塔子の心理は共感できる.一方で鞍田との恋にのめりこんでいく塔子の動き,特に終盤の大雪のなか鞍田と先の見えない道行に至る展開は,やや違和感を感じざるを得ない.
それでも夏帆と妻夫木の情念的なラブシーンは見応えがあった.柄本佑は良い芝居だったので,登場シーンが少ないのが残念.映画全体としては印象的なシーンが多かった.
★★★(★5個が満点)
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