独断的映画感想文:1917 命をかけた伝令
日記:2021年3月某日
映画「1917 命をかけた伝令」を見る. 2019年.監督:サム・メンデス.
出演:ジョージ・マッケイ(ウィリアム・スコフィールド),ディーン=チャールズ・チャップマン(トム・ブレイク),マーク・ストロング(スミス大尉),リチャード・マッデン(ジョセフ・ブレイク),コリン・ファース(エリンモア将軍),ベネディクト・カンバーバッチ(マッケンジー大佐).
1917年4月の西部戦線,ドイツ軍は撤退し英軍は追撃戦を仕掛ける.第2大隊の1600名は翌朝攻撃開始の予定だが,空軍偵察でドイツ軍の撤退は計画的で,第2大隊の行く手には強力な防衛線が待ち構えていることが判明する. 通信手段のない中,エリンモア将軍はトムとスコフィールドの2名の上等兵を伝令とし,直接大隊長に攻撃中止の将軍命令を伝えるよう命じる.第2大隊にはトムの兄ジョゼフ中尉がいた.2人は塹壕から出て無人地帯を突破,トラップの仕掛けられているドイツ軍の放棄塹壕を辛くも抜けて,第2大隊の布陣する森を目指すが…. 驚くべき映画である.脚本は,第1次大戦で英軍の伝令兵として従軍した監督の祖父:アルフレッド・メンデスの回想に基づく.
その映画をサム・メンデスは,全編ほぼワンカットと見える映画として作り上げた.そのため伝令2人の1昼夜の行動を描くこの物語を,観客はリアルタイムの,その場にいる者の体験として見ることができる. 死屍累々たる戦場の残酷さと同時に,凄惨な戦場であるが故に作られる兵士の信頼と友情も,この映画は見事に描いている.全編,一時も目を離すことのできない緊張感あふれる作品. 主演:ジョージ・マッケイの演技も素晴らしい.すべてが終わった後のエピローグで,初めて家族の写真を取り出し見入るスコフィールドの雰囲気が味わい深い.★★★★☆(★5個が満点). 人気ブログランキングへ
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