独断的映画感想文:スキャンダル
日記:2021年3月某日
映画「スキャンダル」を見る.
2019年.監督:ジェイ・ローチ.
出演:シャーリーズ・セロン(メーガン・ケリー),ニコール・キッドマン(グレッチェン・カールソン),マーゴット・ロビー(ケイラ・ポスピシル),ジョン・リスゴー(ロジャー・エイルズ),マルコム・マクダウェル(ルパート・マードック).
事実に基づく映画.トランプが大統領選出馬を目指していた2016年,フォックスニュースの人気キャスター:メーガン・ケリーは,CEOロジャー・エイルズの支持のもとトランプともやりあっていた.一方先輩キャスターのグレッチェン・カールソンは,ロジャーのセクハラを拒否したため朝のメインキャスターを降板させられ,昼の番組のアンカーとなっている.
グレッチェンの下にいたケイラは彼女に見切りを付け,ロジャーと会うチャンスを探る.しかしロジャーと会ったケイラは,「忠誠心」のためと称しスカートをたくし上げるよう命じられる.
グレッチェンはやがてクビを宣告され,弁護士に相談の上ロジャーをセクハラで提訴する.社内は騒然となり,ロジャーを支持するTシャツが配られる中,メーガンは沈黙を守り続けた….
米国民にはこのフォックスニュースのスキャンダルは,既に報道を通じて充分知られていることなのだろうが,白紙の状態で見る自分には冒頭はやや判りにくい.しかしテンポよく進む物語の進展にぐいぐい引き込まれる.
なんといってもシャーリーズ・セロンをはじめとする俳優の必要にして充分な演技が素晴らしい.勧善懲悪に単純化されない,女性キャスター・スタッフたちの確執や心理的動揺が,結果の判っている物語を面白くしている.メーガン自身,ロジャーにセクハラを受けつつも,ロジャーに抜擢され政治的危機に際し強くバックアップされたことを回想している.
見ごたえのある映画であり,エンターテインメント.★★★★(★5個が満点).
蛇足:フォックス会長ルパート・マードックを演じるマルコム・マクダウェルは,1968年の名画「if もしも…」で主役のやんちゃ高校生を演じた人.その面影が窺えて懐かしい.
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