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2021/04/14

独断的映画感想文:スパイの妻

日記:2021年4月某日
映画「スパイの妻」を見る.1_20210415202901
2020年.監督:黒沢清.
出演:蒼井優(福原聡子),高橋一生(福原優作),東出昌大(津森泰治),坂東龍汰(竹下文雄),笹野高史(野崎医師).
日本が戦争へと大きく舵を切っていく昭和15年.貿易会社の社長夫妻として何不自由ない生活を送っている福原優作・聡子の夫妻.新たに神戸に憲兵隊分隊長として赴任してきた聡子の幼馴染・津森は,優作に彼の友人の英国人バイヤーをスパイとして逮捕したことを告げ,夫妻の洋風の生活を改めるよう注意する.そのような警告に頓着しない優作は,社員で甥の文雄を連れ満州旅行に赴く.5_20210415202901
予定より大幅に遅れて帰ってきた優作たち,その後文雄は有馬の旅館で創作に専念するためと称し退職,一方優作たちと共に満州から帰国した女性・草壁弘子が殺された件で,聡子は津森から呼び出しを受ける.2_20210415202901
不審を覚えた聡子に問い詰められ,優作は満州で陸軍部隊の人体実験現場を目撃,その証拠のフィルム・文献を証人の弘子と共に持ち帰ったこと,そのことを世界に明らかにしようと考えていることを打ち明けるが….7_20210415202901
蒼井優,高橋一生,東出昌大の演技で見せる映画.津森は聡子に恋心を抱いているが,自分の職掌は裏切れない.福原夫妻のこの時代と相いれない生活ぶりは,津森を心配させると同時に観客をもやきもきさせる.6_20210415202901
それを下地に降って湧く,国家機密を漏洩しようという大胆な活動.淡々と計画的に動く優作と,売国奴の妻となるにもかかわらず水を得た魚のように活発に行動する聡子の対比が面白い.プロット自体にはそれほど驚かされなかったが,主演3名の演技でがぜん面白くなった映画.
★★★☆(★5個が満点).
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