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2021/06/11

番外:独断的歌舞伎感想文 六月大歌舞伎第二部 桜姫東文章下の巻

日記:2021年6月某日
歌舞伎座で「六月大歌舞伎第二部」を見る.
四世鶴屋南北 作,郡司正勝 補綴.「2106kabukiza_h_51b54e0ef783fb69492b23d40」.出演:清玄/釣鐘権助(仁左衛門),粟津七郎(錦之助),葛飾のお十(孝太郎),奴軍助(中村福之助),吉田松若(千之助),判人勘六(橘三郎),長浦(吉弥,残月(歌六),桜姫(玉三郎).
不義の罪に問われた清玄の弟子・残月と桜姫の局・長浦のわび住まい:地蔵堂.清玄はここで病を得て寝込んでいる.残月は金を得ようと青蜥蜴の毒で顔にあざのできた清玄を殺す.その墓堀に頼まれてきた釣鐘権助,女衒の手で地蔵堂に預けられた桜姫と再会する.桜姫は自分の妻だと名乗りを上げた権助,人妻を売ろうとしたとして残月・長浦を追い出し,一方で桜姫を売る算段に出かけていく.一人地蔵堂に残る桜姫,雷鳴で蘇った清玄は桜姫にまとわりつくが,誤って包丁で自身を刺し息絶える.帰ってきた権助は桜姫を廓に売るため共に出かけるが,その顔には清玄と同じあざが浮かんでいた….Img_20210611_130535
四世鶴屋南北の傑作の後半.運命に翻弄される桜姫,一方で自身の求めるものをそのまま追及する清玄・権助.その両者が桜姫のために命を落とし,迎える意外な大団円.長い物語を演じてきた玉三郎・仁左衛門に熱い拍手を送られずにいられない.玉三郎,仁左衛門はともに自身の揺るぎない世界を歌舞伎界に持っている.その二人が,南北描くところの数奇な運命をたどる役に取り組んだ充実した舞台に,深い感銘を持った.長く語り継がれるであろう稀有な舞台に,敬礼.
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