番外:独断的歌舞伎感想文 七月大歌舞伎第三部 雷神不動北山櫻
日記:2021年7月某日
歌舞伎座で「七月大歌舞伎第三部」を見る.
安田蛙文 作,中田万助 作,奈河彰輔 演出,藤間勘十郎 演出・振付.「通し狂言:雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら) 市川海老蔵五役並びに空中浮遊相勤め申し候」.出演:鳴神上人/粂寺弾正/早雲王子/安倍清行/不動明王(海老蔵),八剣玄蕃(右團次),秦民部(男女蔵,雲の絶間姫(児太郎),八剣数馬/制多迦童子(九團次),小野春風/矜羯羅童子(廣松),錦の前(男寅),小原万兵衛実は石原瀬平/黒雲坊(市蔵),秦秀太郎(門之助),白雲坊(齊入),小野春道(友右衛門),腰元巻絹(雀右衛門),後見(家橘).
歌舞伎座の海老蔵は丸2年ぶり,2年前のこの月,海老蔵は義経千本桜の通しを13役早変わりでやるという奮闘を演じたが,今回は5役.大雑把に言えば序幕を2役の早変わりで演じ,毛抜き・鳴神上人をしっかりやり,大詰めで早雲王子で大暴れの殺陣の後,不動明王になるという構成.
海老蔵の毛抜きと鳴神上人を堪能した.特に大詰めでの早雲王子の殺陣は,加わる黒四天の意気込みも並々ならないものがあって圧巻.花道に立てた梯子上の見得が素晴らしかった.
久しぶりの児太郎と芝のぶ(去年8月のお富さん以来)も出ていてうれしい.しかし全体のバランスは悪く,特に殺陣の後不動明王になる間は長すぎて興醒め.不動明王の空中浮遊もちゃちい.研究の余地あり.
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