番外:独断的歌舞伎感想文 八月花形歌舞伎 第三部 義賢最期/伊達競曲輪鞘當/三社祭
日記:2021年8月某日
歌舞伎座で「八月花形歌舞伎 第3部」を見る. 「一、源平布引滝 義賢最期(よしかたさいご)」.出演:木曽先生義賢(幸四郎),九郎助娘小万(梅枝),下部折平実は多田蔵人(隼人),待宵姫(米吉),太郎吉(小川大晴(奇数日)小川綜真(偶数日)),進野次郎(廣太郎),九郎助(錦吾),矢走兵内(片岡亀蔵),葵御前(高麗蔵).「二、伊達競曲輪鞘當(だてくらべくるわのさやあて)/三社祭(さんじゃまつり)」.出演〈鞘當〉:不破伴左衛門(歌昇),名古屋山三(隼人),茶屋女房お新(新悟).〈三社祭〉:悪玉(染五郎),善玉(團子).
義賢最期は幸四郎が大奮闘,幕切れの階段落ちまで,感銘的な舞台.梅枝の小万も魅力的で,小万と言えば新悟,七之助,菊之助,壱太郎,門之助などで見てきたが,梅枝の小万がいちばん記憶に残っている.小万は6年前に姿を消した夫・折平を尋ね当てて来てみたら,折平は実は多田蔵人で,義賢の命で待宵姫と一緒に逃げてしまい,行きがかり上義賢の傍らで獅子奮迅の働きをするという,何とも不思議な役.梅枝が演じるとなぜか腑に落ちる.伊達競曲輪鞘當は題名通りの踊り,3人とも良いが,最後のいいところを新悟が持って行ってしまった.團子(17歳)・染五郎(16歳)の三社祭が楽しい.この若さでなければできない溌剌とした踊りで痛快.舞台を観たときは團子=悪玉,染五郎=善玉と思ったが実は逆だった.
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