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2021/09/20

独断的映画感想文:荒野の誓い

日記:2021年9月某日
映画「荒野の誓い」を見る.原題:HOSTILES.1_20210923204701
2017年.監督:スコット・クーパー.
出演:クリスチャン・ベイル(ジョー・ブロッカー大尉),ロザムンド・パイク(ロザリー・クウェイド),ウェス・ステューディ(イエロー・ホーク首長),ジェシー・プレモンス(ルディ・キダー中尉),アダム・ビーチ(ブラック・ホーク),ロリー・コクレイン(トーマス・メッツ曹長),ベン・フォスター(チャールズ・ウィルス軍曹(罪人)),ティモシー・シャラメ(フィリップ・デジャルダン上等兵),ポール・アンダーソン(トミー・トーマス伍長),ジョナサン・メジャーズ(ヘンリー・ウッドソン伍長).2_20210923204701
1892年ニュー・メキシコ州.牧場を経営していたロザリー・クウェイドの一家はコマンチ族の強盗団に襲撃され,夫と3人の子どもは惨殺され家屋は放火される.一方騎兵隊のブロッカー大尉(ジョー)は長年ネイティブ・アメリカンと戦ってきた伝説の軍人.長く幽閉されていたシャイアン族の首長:イエロー・ホークを,彼らの聖地モンタナの「熊の渓谷」に送り届けるよう,大統領令を受ける.4_20210923204701
長年宿敵として戦ってきたイエロー・ホークだが,ジョーは,親友のトーマス・メッツ曹長,忠実なヘンリー・ウッドソン伍長,新任のルディ・キダー中尉,新兵のフィリップ・デジャルダン上等兵と共に,イエロー・ホーク,息子のブラック・ホーク,その妻,妹,息子の5名を護送する旅に出る.途中,襲撃されたクウェイド家の焼け跡でロザリーを救出,家族の亡骸を埋葬した後,ロザリーを途中の街:ウィンズローまで送り届けることにする.6_20210923204701
出発時イエロー・ホークとブラック・ホークに手錠をかけたジョー,しかし途中でコマンチ強盗団に急襲される.シャイアン族の2人も手錠のまま加わって闘い,彼らを撃退するが,デジャルダン上等兵は死亡,ウッドソン伍長は重傷を負い,ウィンズローで入院することになる.ジョーはシャイアン族2人の手錠を外し,ロザリーもシャイアンの女性たちの世話になり心を開く.途中,コマンチの強盗団が殺害されているキャンプ地に遭遇するが,ジョーはその前の晩にメッツ曹長の手引きでシャイアン族の2人が夜襲を掛けたのだと悟った.ウインズローでは旧知の中尉にモンタナまで元軍曹ウィルスの護送を依頼されるが,インディアン一家を惨殺した罪のウィルスはジョーの旧知だった….
仇敵と共に行く過酷な旅,大切な仲間が一人また一人と倒れてゆく.しかしそれは,かって殺し合った敵への思いが変化していく過程でもあった.軍人とネイティブアメリカンという,寡黙で無表情な人たちの感情の変化が,こ5_20210923204701の映画の一つの見どころだろう.ロザリーの参加はその変化の一つの媒介となった.家族埋葬時のロザリーの悲痛な叫びを見守るジョーたちの姿は印象的だが,この後仲間を失った時のジョーの慟哭は,このロザリーの姿が契機になったと思われる.
一方,野営の都度拘束されたウィルスはネイティブアメリカンへの呪詛をつぶやき続けるのだが,これを耳にしたメッツ曹長は逆にいたたまれなくなり,自分の悪行をイエロー・ホークに詫びた後,逃亡したウィルスを殺して自殺する.3_20210923204701
そのような痛みを経て一体感を得たジョーの一行,しかし新たな敵の襲撃で更に仲間は倒れていく.最後まで容赦のない展開が続く物語.すべてが終わったエピローグで,シカゴ行きの列車に乗り込む生き残った3名の姿は,悲哀に満ちているがかすかな希望も感じさせる.重厚で悲しみに満ちた映画,見た後いろいろと考えさせる力を持つ.
★★★★(★5個が満点).
蛇足:邦題はまるでマカロニ・ウェスタン(これ自体死語か?)みたい,原題はHostiles(敵).
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