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2021年10月に作成された記事

2021/10/24

独断的映画感想文:T-34 レジェンド・オブ・ウォー

日記:2021年10月某日
映画「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」を見る.T34-1 2018年.監督:アレクセイ・シドロフ.
出演:アレクサンドル・ペトロフ(ニコライ・イヴシュキン),イリーナ・スタルシェンバウム(アーニャ),ヴィツェンツ・キーファー(イェーガー大佐),ヴィクトル・ドブロンラヴォフ(ステパン・ヴァシリョノク),アントン・ボグダノフ(ヴォルチョク),ユーリー・ボリソフ(イオノフ).T34-4
1941年独ソ戦.侵攻するドイツ軍に対し敗走するソ連軍は,ネフェドヴォ村からの司令部と病院撤退の支援のため,たった1輌残ったT-34戦車に新任のイヴシュキン少尉を戦車長として配置する.
イヴシュキン少尉は生き残った4名の戦車兵と共にドイツ戦車中隊を待ち伏せ,村の街路を巧みに使ってドイツ戦車を次々に撃破するが,中隊長イェーガー大佐の戦車と相打ちとなり,イヴシュキン少尉は捕虜となる.
T34-2 4年後,劣勢のドイツ軍は戦車兵養成のため実戦に即した訓練を企図,捕獲した最新のT-34戦車に捕虜のロシア戦車兵を実弾なしで乗せ,ドイツ戦車で殲滅する演習プログラムを作る.担当のイェーガー大佐は捕虜の中からイヴシュキン少尉を発見,イヴシュキンに部下の戦車兵を選抜させる.4名は捕獲された戦車から,まずロシア兵の死体を運び出し埋葬するが,死体の下から6発の実弾が出てきた….
たった6発の実弾で演習場から脱出し,最寄りのチェコ国境を目指すイヴシュキンらの脱走行を描く.T34-3
戦車同士の砲撃戦を,斬新な映像と知恵を絞った頭脳戦を組み合わせて描く戦争映画.圧倒的に不利なT-34戦車が,恐るべき観察力と戦車操縦技術,砲術技能を総動員して戦う姿には,拍手を送らないではいられない.T34-5 これに対するイェーガー大佐も,騎士道精神といおうか,自らの戦車中隊を率い正々堂々たる戦いぶりで渡り合い,互いに敬意を抱いて別れるラストシーンは印象的.ロシアで大ヒットしたのもうなずける.エンタテインメントとして素晴らしい出来,見て損は無し.
★★★★(★5個が満点).
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2021/10/14

独断的映画感想文:朝が来る

日記:2021年10月某日
映画「朝が来る」を見る.1_20211017190501
2020年.監督・脚本:河瀨直美.
出演:永作博美(栗原佐都子),井浦新(栗原清和),蒔田彩珠(片倉ひかり),浅田美代子(浅見静恵),佐藤令旺(栗原朝斗),田中偉登(麻生巧),中島ひろ子(片倉貴子),平原テツ(片倉勝),駒井蓮(片倉美咲).3_20211017190501
栗原清和・佐都子の夫婦は子どもができない.ベビー・バトンという運動を通じ,生んでも育てられない事情を持つ母親の子どもを,新生児の段階で特別養子縁組し,引き取ることになる.引き取った子・朝斗はすくすくと育ち5歳になった.ベビー・バトンの規約により,朝斗には生みの母が別にいることは知らせている.ところがある日,朝斗の母・片倉ひかりと名乗る女性が栗原家を訪ねてきた….5_20211017190501
片倉ひかりは中学生,同級の麻生巧と愛し合う仲になり,妊娠する.両親が気付いた時にはすでに中絶も不可能だった.ひかりはベビー・バトンのあっせんで産んだ子を養子に出すことになり,出産までの月日をベビー・バトンの理事長・浅見の主催する広島の合宿所で生活することになる.出産し無事赤子を栗原夫妻に直接託したひかり,しかし両親はひかりに口を拭って元の中学に戻り受験に取り組むよう命じ,一方親戚中にはひかりの件を明らかにしていた.ショックを受けたひかりは家を飛び出し浅見のもとに身を寄せるが,浅見も病を得ていた….2_20211017190501
栗原家に現れ「金を出すか養子の事実をばらすか」と口にした片倉ひかりは,すさんだ表情の金髪の少女.映画はこの人物が果たして誰なのかを軸に,家出後の片倉ひかりの出会う不条理や,栗原家での朝斗の養育状況等を織り交ぜつつ物語を展開していく.
栗原夫妻を演じる井浦新・永作博美の演技は安定し,安心して物語を追える.一方,ひかりを演じる蒔田彩珠の存在感が素晴らしい.中学生の身で,愛し合った男との間に出来た子どもをなかったことにされたこと,他方で自分の苦しんだ事実が親戚中の話のネタになっていたということへの怒り,家出後の不条理な出来事,そういう体験をしてきたひかりを蒔田彩珠は等身大に演じている.4_20211017190501
映画全体としては,時世が頻繁に入れ替わったり,突然ドキュメンタリーの画面に切りかわったりという自分には難しく感じられる部分はあった.しかしそれより,ひかりと栗原夫妻が経験したような事実の,普遍的意味合いの大きさが心に残る.映画は,河瀬節とでもいうべき独特のカラーに彩られ,美しく印象深い.見て損は無し.
★★★★(★5個が満点).
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