独断的映画感想文:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
日記:2021年11月某日
映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を見る.
2019年.監督・脚本:クエンティン・タランティーノ.
出演:レオナルド・ディカプリオ(リック・ダルトン),ブラッド・ピット(クリフ・ブース),マーゴット・ロビー(シャロン・テート),エミール・ハーシュ(ジェイ・セブリング),マーガレット・クアリー(プッシーキャット),ティモシー・オリファント(ジェームズ・ステイシー),オースティン・バトラー(テックス・ワトソン),ダコタ・ファニング(スクィーキー),ブルース・ダーン(ジョージ・スパーン),アル・パチーノ(マーヴィン・シュワーズ).
1969年2月8日,盛りを過ぎた映画スター:リックはエージェントのマーヴィンと会う.リックは西部劇俳優として映画・テレビを中心に活躍してきた.彼のスタントを担当したクリフとは親しい中で,クリフはスタントの仕事が無い時もリックの運転手を務め身の回りの世話をする.
リックは最近は主役の新進スターと対する悪役が仕事の中心で,マーヴィンからは落ち目の俳優がする仕事だと指摘され,マカロニウェスタンへの転身を勧められる.リックは動揺しつつ仕事を続けるが,その夜セリフを入れながら飲みすぎ,翌日午前の撮影ではセリフが飛んで撮り直しが続出する.
すっかり自己嫌悪に陥ったリックだが,午後の撮影では渾身の演技で監督をうならせ,これが逆にマカロニウェスタンに採用される決め手となる….
1969年,ロマン・ポランスキーの邸宅の隣に住むリック・ダルトンとクリフ・ブースのハリウッド友情物語.
クリフのヒッピー少女:プッシーキャットとの出会いから始まるヒッピーグループとの不穏な関係が,この後起こる筈のシャロン・テート事件の予感をはらんでスリリングだ.一方,セリフを飛ばしたリックが共演する子役に撮影に臨む俳優の基本を聞かされ自らの不甲斐なさに嗚咽するシーン,リックの推薦でスタントの仕事にありついたクリフが主演のカンフー俳優(ブルース・リーか?)の大言壮語に切れてボコボコにしてしまうシーン等,題名にふさわしい様々なエピソードが楽しい.シャロン・テートも映画に出て来て充分魅力的.
映画の結末としては,同じ監督の「イングロリアス・バスターズ」とちょっと似た展開になるとだけ,ネタ晴らしをしておく.とにかくレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの演技を見ているだけで見ごたえあり,160分の長尺だが全く気にならない.最後の結末含めクエンティン・タランティーノ監督の面目躍如の好編,見て損は無し.
★★★★(★5個が満点).
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