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2021/11/20

独断的映画感想文:TENET テネット

日記:2021年11月某日
映画「TENET テネット」を見る.Tenet-1
2020年.監督・脚本:クリストファー・ノーラン.
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン(主人公),ロバート・パティンソン(ニール),エリザベス・デビッキ(キャサリン・“キャット”・バートン),ディンプル・カパディア(プリヤ),マイケル・ケイン(クロスビー),ケネス・ブラナー(アンドレイ・セイター).Tenet-2
映画の冒頭,キエフのオペラハウスがテロリストグループに襲われる.鎮圧に急行する警察部隊に紛れ込み,CIAのエージェントがここで取引されるプルトニウムの奪取に動く.CIAの主人公は銃撃を受けるが,銃弾は逆行し命は助かった.しかしその後ロシア人グループに捕まり拷問を受ける.主人公は自殺カプセルを飲み意識を失う.Tenet-3
主人公が気が付いたのは未来から逆行して来る攻撃に対抗する組織の施設,担当者はキエフの一連の経過は主人公に対するテストだったと言う.協力を要請された主人公は,時間を逆行する銃弾を扱った武器商人を辿ってロシア人セイターに行きつく.セイターへの接点として,その妻キャットに近づいた主人公は,キャットの要請でオスロの保管庫から贋作絵画を奪う作戦を相棒ニールと共に決行するが,保管庫から出てきた時間を逆行する動きの警備員に苦戦を強いられる.奪った筈の贋作絵画は,未来からの情報を持つセイターに裏をかかれセイターの手に戻っていた.Tenet-6
ニールと主人公は,キエフで回収されたプルトニウムが輸送されることを知り,セイターに漏れぬよう一切の記録を残すことなく計画を立て奪取に成功するが,逆行する車に乗って登場したセイターはキャットの命と引き換えにプルトニウムを奪って姿を消す….
監督クリストファー・ノーランによる時間逆行SFスパイ・アクション映画.時間逆行に伴う現象上にある種のルールがあるところ等,同監督のインセプションと似た趣がある.
スパイ・アクション映画としても一級品だが,この映画の最大の魅力は,時間逆行を利用した複雑を極めた精緻な伏線の配置とその回収にある.いくつかの謎はその線上で明らかになる.特に最大の謎は,途中から相棒になり互いに身を挺して互いの身を守ることになるニールとの関係だ.Tenet-5
そのニールを演じるロバート・パティンソンの素晴らしさはどうだろう.物語での役割が判明するのに伴い,その魅力はいや増していく.その他に俳優では主人公を演じるジョン・デヴィッド・ワシントン,セイターを演じるケネス・ブラナーが印象的.映画でなければ実現できない濃密な150分間,見て損はなし.
★★★★☆(★5個が満点).
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