独断的映画感想文:空に住む
日記:2022年1月某日
映画「空に住む」を見る. 2020年.監督:青山真治.出演:多部未華子(直実),岸井ゆきの(愛子),美村里江(明日子),岩田剛典(時戸森則),鶴見辰吾(雅博),大森南朋(吉田),永瀬正敏,柄本明.
直実は両親を交通事故で失い,叔父の世話で都心の高層豪華マンションに,人見知りする猫ハルと住むことになる.子どものない叔父夫婦は別の階に居住しており,直実の部屋にも足しげく訪れる.納骨を終え職場復帰した直実,会社は文芸中心の出版社で,自社出版作が文芸賞に輝いた小説家・吉田の受賞第1作を準備中である.吉田は元は直実が担当していたが,今は後輩の愛子が担当している.愛子は婚約中ですでに妊娠しているが,その父親は吉田だと直実に打ち明ける.そんなある日,マンションのエレベーターで会った男は人気俳優の時戸,2度目にエレベーターであったとき時戸は不意にオムライスが作れるかと聞いてくる.自室に招待してオムライスをふるまった直実,やがて二人はベッドを共にするようになるが,愛猫のハルが難病にかかっていることが判る….
青山監督には珍しい,突き詰めたところの余りない映画.様々な経験で大人になっていく直実の物語だが,そこが緊張感を持って描かれるということでもない.おしゃれできれいなタワマンの生活と,コンシェルジュの老人・柄本明やペットの葬儀屋・永瀬正敏の対比があって,面白かった.最終シーン,直実はこのタワマンから出ていくのか,沈む太陽を見ながら体操する多部未華子が美しい.
★★★(★5個が満点)
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