独断的映画感想文:シェイクスピアの庭
日記:2022年3月某日
映画「シェイクスピアの庭」を見る. 2018年.監督:ケネス・ブラナー.
出演:ケネス・ブラナー(ウィリアム・シェイクスピア),ジュディ・デンチ(アン・シェイクスピア),イアン・マッケラン(サウサンプトン伯),キャスリン・ワイルダー(ジュディス・シェイクスピア),リディア・ウィルソン(スザンナ・ホール),ハドリー・フレイザー(ジョン・ホール),ジャック・コルグレイヴ・ハースト(トム・クワイニー). 1613年,新作「ヘンリー8世」を上演中のグローブ座は,舞台装置の失火から炎上,シェイクスピアは引退を決めロンドンを去る.故郷ストラトフォードに20年ぶりに戻ったシェイクスピアには,長年疎遠だった8歳年上の妻アン・ハサウェイ,長女スザンナとその夫で清教徒のジョン,未婚の次女ジュディスとのぎごちない関係が待っていた.シェイクスピアは自邸の敷地内に庭作りを始めるが,そのうち17年前に幼くして病死した長男ハムネットの幻を見るようになる….
ロンドンで経済的にも成功を収めた村の有名人ではあったが,シェイクスピア家は名門という訳ではなかった.妻とジュディスは読み書きができず,紋章を獲得できたのもシェイクスピアが財政的に裕福になってからだった.家族はスザンナの不倫の醜聞や,ジュディスの婚約者・クワイニーの醜聞に悩まされる. シェイクスピア自身は,ハムネットの死の真相にとり憑かれていた.ついにその真相が明らかになった時,シェイクスピアにようやく静かな平安が訪れる….
絵のように美しいストラトフォード=アポン=エイヴォンの風景をバックに淡々と進む物語.後援者だったサウサンプトン伯を演じるイアン・マッケランを含め,主演のケネス・ブラナー,ジュディ・デンチの演技が心ゆくまで楽しめる.一見の価値あり.
★★★★(★5個が満点)
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