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2022/04/10

独断的映画感想文:ジャッジ 裁かれる判事

日記:2022年4月某日
映画「ジャッジ 裁かれる判事」を見る.1_20220411180201
2014年.監督:デヴィッド・ドブキン.
出演:ロバート・ダウニー・Jr(ハンク・パーマー),ロバート・デュヴァル(ジョセフ・パーマー),ヴェラ・ファーミガ(サマンサ・パウエル),ヴィンセント・ドノフリオ(グレン・パーマー),ジェレミー・ストロング(デイル・パーマー),ダックス・シェパード(C・P・ケネディ),ビリー・ボブ・ソーントン(ドワイト・ディッカム).3_20220411180201
ハンクはシカゴで活躍する腕利きの弁護士,金さえ積めば悪辣な依頼人のためでも働く.仕事に没頭するハンクにうんざりした妻は浮気,ハンクは愛娘ローレンの養育権を得て離婚しようと考えている.
そんなある日実家から母が急死したとの知らせが入り,ハンクは捨てたも同然の故郷インディアナへ帰省する.父ジョゼフは地元で40年以上判事を務めている人物,葬儀の日も裁判を終えて通夜に参加した.兄グレンと知的障がい者の弟デイルとともに母の葬儀に参加するが,居心地は悪い.5_20220411180201
葬儀の翌日,父の車に衝突した跡を発見したハンク,ジョゼフは自分ではないと言い張り,父と衝突したハンクはシカゴに帰ろうとする.ところが機内にグレンから,ジョゼフがひき逃げの疑いで取り調べを受けているとの連絡が入る.グレンは急遽実家へ引き返すが,ジョゼフはハンクに自分の弁護は依頼しないと告げる….
この映画には重層的な謎が幾つもある.ハンクはなぜ父から疎んじられているのか.何故ハンクは故郷を捨てたのか.高校時代名ピッチャーだったグレンはなぜ野球に挫折したのか.父が轢いたとされる被害者マークと父との因縁は何か.父が被害者を轢いた記憶がないのは何故か.
暴君的な家長であり子どもには厳しかった父は,しかし誠実な判事であり決して嘘は言わない人物である.このような物語の根幹をなす謎の他にも,この映画にはハンクが酒場で出会った元カノの娘の父親は誰かという謎などがあり,物語の進展に引き込まれる.また法廷シーンのやり取りのスリリングな展開も魅力的.2_20220411180201
俳優ではロバート・ダウニー・Jr,ロバート・デュヴァルがいずれも見応え十分.検事役で登場したビリー・ボブ・ソーントンは久しぶりだったが,相変わらず魅力的.4_20220411180201
ところで映画の中盤で,ジョゼフとハンクが話をしていて,最も尊敬する弁護士は誰かという話題になる.ハンクが自分の師匠だと云うのに対し,ジョゼフは若い時に出会った高潔な弁護士:ヘンリー・ショウを最も尊敬すると云う.自分はハンクがヘンリーの愛称だということを知らなかったが,このことは後での伏線の一つだった.多少ネタバレだが触れて置く.
蛇足:先週見た映画もこの映画も,主人公と親との確執の原因は,交通事故だった.こういう偶然は時々起きるが,吃驚した.
★★★★(★5個が満点)
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