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2022/04/05

独断的映画感想文:ある天文学者の恋文

日記:2022年4月某日
映画「ある天文学者の恋文」を見る.1_20220412161601
2016年.監督:ジュゼッペ・トルナトーレ.音楽:エンニオ・モリコーネ.
出演:ジェレミー・アイアンズ(エドワード・フィーラム教授),オルガ・キュリレンコ(エイミー・ライアン),ショーナ・マクドナルド(ヴィクトリア),パオロ・カラブレージ(オッタヴィオ),アンナ・サヴァ(アンジェラ),イリーナ・カラ(エイミーの母親).5_20220412161601
天文学の学生エイミーは同部門の教授で妻子あるエドと熱愛中.エイミーは母親と折り合いが悪く,映画のスタントや塑像のヌードモデルをして暮らし,エドからはカミカゼと呼ばれている.ロンドンのホテルで会った後,エドからは通信や映像は届くが会うことはできない.それでもエドの助言通り勉強して無事進級の口頭試験に合格する.ところが出席した大学の講義中,講師がエドは数日前に亡くなったと言い,皆に黙とうを呼びかける.混乱したエイミーはエドに連絡を取ろうとするが繋がらない.4_20220412161601
エイミーは報道でエドの死を受け入れるが,一方エドからのメールと手紙は引き続き届く.エイミーはエドの自宅のあるエジンバラを訪れ,伝言のままに弁護士事務所を訪問,エドの旧友の弁護士からエドの贈り物と手紙を渡される.ロンドンに戻ったエイミーは手紙に同封された別荘の鍵を持って,かって二人で行ったイタリア・オルタ湖のボルゴヴェントーソ島に行く.別荘では暖炉に火がたかれ,エイミーへの贈り物が待っていた….3_20220412161601
死んだ恋人からメッセージが届くというミステリアスな内容と,エイミーの家族との確執やエドの死の克服という展開が印象的な映画.島でエドのメッセージを受け取ったエイミー,エドは自身の死に際してエイミーの母親との確執への助言を行う.激高したエイミーは衝動的にエドの映像記録を暖炉に投じ,エドのメールに通信の終了を指示するサインを返信してしまう.その後ぷっつりとエドからの通信は途絶えた.
画像の復元も通信の再開にも失敗したエイミーは,憔悴して再びエジンバラを訪れる.ここでエドの娘ヴィクトリアと会うことから新しい展開が開けるという物語.主演のジェレミー・アイアンズとオルガ・キュリレンコが魅力的,物語のテンポも良い.2_20220412161601
エイミーの論文スケジュールに合わせて届くエドの助言の的確さは驚異的だが,一回だけ順番を間違えてメールが届く場面があり,立ち直りかけていたエイミーがそれを笑って受け入れるというエピソードも面白かった.落ち着いた色調の映像も美しく,特にボルゴヴェントーソ島のたたずまいは魅力的.エンニオ・モリコーネ(制作時88歳)の音楽も控えめながら美しい.
★★★★(★5個が満点)
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