独断的映画感想文:ジョジョ・ラビット
日記:2022年5月某日
映画「ジョジョ・ラビット」を見る.
2019年.監督:タイカ・ワイティティ.
出演:ローマン・グリフィン・デイヴィス(ジョジョ),トーマシン・マッケンジー(エルサ),タイカ・ワイティティ(アドルフ),サム・ロックウェル(クレンツェンドルフ大尉),スカーレット・ヨハンソン(ロージー).
ジョジョは10歳の少年.父はイタリアで軍隊勤務,姉は亡くなり母ロージーとの二人暮らし.時は第2次大戦末期のドイツ,ジョジョは自分で靴ひもも結べないが,あこがれのヒトラーユーゲントの合宿に参加することになる.想像の中の親友「アドルフ・ヒトラー」の激励を受け張り切るジョジョ,しかし上級生にウサギを殺せと命じられて出来ず,「アドルフ・ヒトラー」の叱咤で手榴弾の投擲に挑むが失敗し,顔と脚に大けがをする.ヒトラーユーゲントには参加できず,街でビラ張りなどの雑用をすることになる.
そんなある日,ジョジョは自宅の姉の部屋から物音のするのに気付き,壁裏のスペースにユダヤ人の少女が隠れているのを発見する.ユダヤ人には角があると教えられていたジョジョは吃驚するが,少女エルサはこのことを口外したらロージーとジョジョもただでは済まないと脅し,ジョジョもユダヤ人観察のため現状維持に同意する.一方ジョジョは街でロージーが反ナチのビラをひそかに配っているのを目撃する.ロージーの留守中にゲシュタポが訪れ,家探しを開始するが….
愛国少年ジョジョが,ユダヤ人少女と出会い語らう中で成長していく方向は,いつかヒトラーユーゲントとは異なる方向に行ってしまう.そのことを通じて戦争とナチズムの愚かしさをあぶりだしていく物語.コメディタッチで描かれるが,戦争の現実描写には容赦はない.
ラストシーンで米軍が雪崩れ込みナチスが崩壊していく中,手に手を取って駆けていくジョジョとエルサの姿の後味が良い.劇中で流れる音楽も軽快.見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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